
患者さんと何を話せばいいか分からなくて、沈黙が気まずいです…



僕も新人の頃は悩みました。面白い話をする必要はなくて、患者さんの話を聞くことが大切です。
新人の理学療法士にとって、意外と難しいのが患者さんとの会話ではないでしょうか。
何を話せばいいかわからない、沈黙が気まずい、毎回同じような会話になってしまう、雑談しているだけで大丈夫なのか不安。
僕自身も、理学療法士として働き始めた頃は患者さんとの会話に悩むことがありました。
ただ、患者さんとの会話は、必ずしも面白い話をしなければいけないわけではありません。
大切なのは、患者さんの話を聞きながら、その人のことを少しずつ知っていくことです。
この記事では、新人理学療法士が使いやすい患者さんとの会話ネタ10個を紹介します。
- 面白い話をする必要はなく、患者さんの話を聞くことが大切
- 会話ネタは「住んでいる場所」「仕事」「趣味」など答えやすい身近なテーマから
- 「質問→答え→その答えからもう一つ質問」で会話は広がる
- 雑談の情報は、ADLで困っている動作を聞く問診につなげる
| 会話ネタ | そこから分かること |
|---|---|
| 住んでいる場所・出身地 | 普段の移動手段や生活範囲 |
| 仕事・以前の仕事 | 仕事での身体の使い方 |
| 家族・ペット | 孫の抱っこや犬の散歩など、普段の身体の使い方 |
| 趣味・休日の過ごし方 | 痛みで趣味ができなくなっていないか |
| スポーツ | 活動量やリハビリの目標 |
| テレビ・ドラマ・映画 | 座っている時間や姿勢 |
| 食事・外食 | 外出頻度や移動方法 |
| 天気・季節 | 天気による症状の変化 |
| 旅行・お出かけ | 普段とは違う環境での身体の状態 |
| 身体や生活について | 生活で困っていること |
1.住んでいる場所、出身地
住んでいる場所や出身地は、患者さんにとって答えやすく、そこから話題を広げやすいテーマです。
特に地元の話は共通点が見つかることもあり、会話のきっかけとして使いやすいです。
- この辺にお住まいですか?
- どちらの出身なんですか?
- この辺は昔から住んでいるんですか?
- 駅から近いですか?
- 普段は車で移動することが多いですか?
- よく買い物に行く場所はありますか?
ここで必ずADLの支障動作に話をつなげる必要はありません。
ただ、普段の移動手段や生活範囲を知っておくと、後々リハビリの話をするときにも役立ちます。
2.仕事、以前の仕事
仕事は多くの人が経験しているため、質問しやすいテーマです。
また、仕事内容によって身体の使い方が大きく違うため、理学療法士にとっても知っておきたい情報が自然に出てきます。
- お仕事は何をされていますか?
- 以前はどんな仕事をされていたんですか?
- 仕事は忙しいですか?
- 座っている時間が長いですか?
- 立っていることが多い仕事ですか?
- 重いものを持つことはありますか?
例えば患者さんから、仕事中に腰が痛くなる、
長時間立っていると膝がつらいなどの話が出てきたら、そこから詳しく聞いていけばいいでしょう。
3.家族、ペット
家族やペットは、患者さんによっては普段から話す機会が多く、自然に会話が広がりやすいテーマです。
特にペットや孫など、好きなものの話になると患者さんが楽しそうに話してくれることもあります。
- お子さんはいらっしゃいますか?
- お孫さんはいますか?
- ペットは飼っていますか?
- お孫さんとはよく会うんですか?
- 一緒に遊ぶことはありますか?
- 犬の散歩は毎日行くんですか?
例えば、孫を抱っこする、犬の散歩に行くなどの話から、普段の身体の使い方を知ることもできます。
ただし、家族について話したくない患者さんもいるため、反応が薄ければ無理に聞かないことも大切です。
未婚、離婚、死別など、家族は聞かれたくない人も多い情報です。
年齢や状況から推察して慎重に話すべきです。
4.趣味、休日の過ごし方
趣味は患者さん自身が好きで話したい内容なので、会話が続きやすいテーマです。
また、患者さんが普段どんな生活をしているのかを知るきっかけにもなります。
- 休みの日は何をして過ごしていますか?
- 何か趣味はありますか?
- 最近はどこか出かけましたか?
- いつ頃からやっているんですか?
- どのくらいの頻度でやるんですか?
- 今も続けていますか?
もし患者さんから、痛くなってから趣味ができなくなったという話が出れば、それはリハビリにも関係する重要な情報です。
一方で、患者さんが楽しそうに趣味の話をしているなら、無理に身体の話へ持っていく必要はありません。
5.スポーツ
スポーツは、現在やっている人だけでなく、過去にやっていた経験も含めて話せるため、意外と話題を広げやすいテーマです。
また、スポーツ経験から患者さんの身体の使い方や活動量を知ることもできます。
- 何かスポーツはやっていますか?
- 昔は何かスポーツをしていましたか?
- 今も続けているんですか?
- 週に何回くらいやっていますか?
- どのくらいの期間続けていますか?
- 痛みが出る前は普通にできていましたか?
スポーツを再開したい患者さんであれば、それがリハビリの目標につながることもあります。


6.テレビ、ドラマ、映画
テレビやドラマ、映画は日常生活に身近で、特別な知識がなくても話しやすいテーマです。
患者さんの年代によっては、好きな番組や俳優などから話が広がることもあります。
- 最近ドラマとか見ていますか?
- テレビはよく見ますか?
- 映画は好きですか?
- どんなジャンルが好きですか?
- 最近何か面白い番組ありました?
- よくテレビを見る時間帯はありますか?
例えば、長時間テレビやスマホを見るという話から、座っている時間や姿勢について知ることもできます。
7.食事、好きな食べ物、よく行く外食先
食事は誰にとっても身近な話題なので、会話のきっかけにしやすいです。
好きな食べ物やよく行く店など、患者さんの好みが分かると、そこから自然に話を広げられます。
- 好きな食べ物はありますか?
- よく外食しますか?
- この辺でよく行くお店はありますか?
- 何をよく食べるんですか?
- そのお店にはよく行くんですか?
- 車で行くことが多いですか?
外食の話から、外出頻度や移動方法など、患者さんの生活について知るきっかけになることもあります。
8.天気、季節の話
天気や季節は、その日の状況をそのまま話題にできるため、会話のきっかけが見つからないときにも使いやすいテーマです。
患者さんとの最初の一言にも使えます。
- 今日は雨が強いですね
- 最近急に寒くなりましたね
- 暑い日が続きますね
- こういう天気は苦手ですか?
- 雨の日はあまり外に出ないですか?
- こういう日は痛みが強くなったりしますか?
最後のように、天気によって症状に変化がある場合は、そこから詳しく聞いてみてもいいでしょう。
最初から身体の話に持っていくのではなく、会話の流れの中で必要な情報を拾うイメージです。
9.旅行、お出かけ
旅行やお出かけは、患者さん自身の経験を話してもらいやすく、会話が広がりやすいテーマです。
行った場所や食べたものなど、話題もたくさんあります。
- 最近どこか出かけましたか?
- 旅行は好きですか?
- 今までどこか旅行に行ったことありますか?
- どうやって行ったんですか?
- 電車ですか?車ですか?
- たくさん歩きましたか?
- 駅では階段を使いましたか?
例えば車で長時間移動した、駅でたくさん歩いたなどの話から、普段とは違う環境での身体の状態を知ることもできます。
10.患者さんの身体や生活について
これは雑談というより、理学療法士として患者さんを知るための基本的な会話です。
患者さんが実際の生活で何に困っているのかを知ることで、リハビリの目標や必要なアプローチを考えやすくなります。
- 普段の生活で困っていることはありますか?
- 痛みが出るのはどんなときですか?
- 最近できなくなったことはありますか?
- 今、一番困っていることは何ですか?
- 家の中ではどうですか?
- 買い物に行くときはどうですか?
- 階段は大丈夫ですか?
- 趣味や仕事で困っていることはありますか?
ここでは、患者さんの言葉をそのまま拾っていくことが大切です。
例えば、買い物が大変、階段がつらい、趣味のゴルフができない、
長時間座っているのがつらいなどの話が出てきたら、それが患者さんにとって重要な問題になります。
雑談を無理にリハビリにつなげなくてもいい
ここまで10個紹介しましたが、すべての会話を無理にリハビリにつなげる必要はありません。
僕は、患者さんとの会話では、患者さんの話を聞きながら、その人のことを知る気持ちが大事だと思っています。
例えば、旅行の話で患者さんが楽しそうに話しているのに、
「何キロ歩きましたか?」「痛みは出ませんでしたか?」「階段は何段ありましたか?」と毎回リハビリの話に持っていったら、少し不自然です。
- 患者さんが何を話しているか
- どんなことに興味があるか
- 普段どんな生活をしているか
- 何か困っていることを話していないか
そして、身体や生活について気になる話が出てきたときだけ、少し詳しく聞いてみる。
このくらいの感覚でいいと思います。
また、患者さんから「今日はずっと話してますね(笑)」などと言われたり、
「雑談ばかりしていて大丈夫なのかな?」というような反応がありそうなときには、一見必要ない雑談の情報をADLの支障動作の問診につなげていきましょう。
よくある質問
患者さんとの会話で何を話せばいいか分かりません。
住んでいる場所、仕事、趣味、天気など、患者さんが答えやすい身近なテーマから始めてみてください。
面白い話をする必要はありません。
雑談ばかりで大丈夫でしょうか?
雑談しているように見えても、患者さんを知るための大切な時間です。
気になる話が出たときだけ、身体や生活について少し詳しく聞いてみる、くらいの感覚で大丈夫です。
家族の話は聞いてもいいですか?
反応が薄ければ無理に聞かないことが大切です。
未婚、離婚、死別など、聞かれたくない人も多い情報なので、年齢や状況から推察して慎重に話しましょう。
まとめ
雑談しているように見えても、患者さんを知るための大切な時間です。
新人のうちは、何を話そうと考えすぎなくても大丈夫です。
まずは患者さんの話を聞いてみる。
そして、質問→患者さんの答え→その答えからもう一つ質問、という流れを意識するだけでも、会話はかなり広げやすくなります。
会話が上手な理学療法士になるために、無理に面白い話をする必要はありません。
患者さんに興味を持って話を聞くこと。
それだけでも、少しずつ会話は自然になっていくと思います。








