サッカーの試合終盤、選手がピッチに倒れ込んで足を伸ばしている場面を見たことはありませんか。実は足が攣るのは突然ではなく、その前から身体にサインが出ています。理学療法士の視点で、メカニズムと前兆を解説します。
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試合中に足が攣るとは
「足が攣る」とは、筋肉が異常に収縮して戻らなくなる状態で、医学的には筋痙攣と呼ばれます。サッカーでは、ふくらはぎ・ハムストリング・内転筋に多く起こります。
なぜ試合終盤に起こるのか
筋痙攣の原因としては、脱水や電解質不足が異常な筋収縮を引き起こすとする「脱水説」と、中枢神経系に起因する運動神経の異常な興奮が原因とする「脳由来説」の2つが考えられてきました。青森県スポーツ科学センターの解説では、近年の研究で特に大きな原因として、運動神経の異常興奮が挙げられています。
運動には「収縮すること」と「収縮を止めること」の両方が必要です。試合終盤になると筋肉が限界に近づき、脳からの制御がうまく効かなくなります。「収縮して」という信号が強まり、「収縮を止めて」という信号が弱くなると、筋肉が収縮しっぱなしになり、筋痙攣が起こります。
さらに終盤は、エネルギー不足と疲労の蓄積が重なり、神経の制御が乱れやすくなります。
攣る前に起きている身体の変化
足が攣る前には、走り方が変わります。理学療法士が見て分かりやすい変化は次の通りです。
- 接地時間が長くなる
- 歩幅が狭くなる
- つま先接地になる
- 膝が上がらなくなる
- 股関節の伸びが減る
- 腕振りが小さくなる
つまり推進力が落ちている状態で、筋疲労が進んでいる証拠です。
テレビ観戦でも分かる前兆
次に試合を見るとき、終盤に疲れてきた選手の次の変化に注目してみてください。
- ふくらはぎを触る
- ジャンプ後の着地が重い
- スプリントフォームが崩れる
- 走る回数が減る
こうした変化が見えたら、攣る前兆かもしれません。
攣ったあとの対応にも意味がある
選手が攣ったあと、仰向けで足を伸ばされている場面があります。筋肉を伸ばして神経の興奮を抑えるためで、理にかなった対応です。
部活・草サッカーで攣りやすい人の備え
水分と電解質の補給は、脱水説の面からも無難な対策です。一人ひとりに合った方法は、医療機関やトレーナーに相談してください。
まとめ
足が攣るのは偶然ではなく、身体の限界のサインです。その前から動きには変化が出ています。サッカーは技術や戦術だけでなく、身体のスポーツでもあります。
※数値は元論文・各機関の公表内容に基づく一般情報です。最新の情報は原典でご確認ください。
