「理学療法士だけど、勉強会に行きたくない……」

勉強会って、行かないとダメなのかな。しかも、高いお金を払って参加する価値はあるのかな。
こんにちは!平社員Kです。
私は整形外科クリニックで10年間働いた理学療法士です。
正直に言うと、私自身も、年数を重ねるにつれて、勉強会への参加頻度はどんどん減っていきました。
この記事では、10年間の経験から、勉強会への考え方がどう変わったのかを、正直に書いていきます。
あわせて、高い参加費を払う価値があるのか、どう選べばよいのかも解説します。
結論は、1〜3年目は勉強会に参加して基礎を固め、4〜5年目以降は、自分に必要な知識を自分のペースで補うです。
また、高い勉強会だから価値があるのではなく、自分の臨床の悩みと内容が一致しているかがいちばん大切です。
- 1〜3年目と、4〜5年目以降で変わる勉強会との付き合い方
- 勉強会に行きたくないと感じるのは、おかしなことではない理由
- 高い参加費を払う価値があるかの判断基準
- 参加してよかった例と、参加しなければよかった例
- 勉強会を選ぶときの確認ポイント
- 理学療法士(PT)
- 整形外科クリニックで10年間勤務
- 新人のころは、月に複数回、勉強会に参加
- 4〜5年目以降は、参加を減らして自己学習へ
私の勉強会の参加ペース(1〜3年目)
まず、新人から若手のころの、私の参加ペースを紹介します。
| 種類 | 頻度 |
|---|---|
| 院内の勉強会 | 月1回 |
| 院外の勉強会 | 月1回 |
| 同法人内の勉強会 | 2か月に1回 |
| 自分から参加する県外の勉強会 | 2か月に1回くらい |
いずれも時間外に行われ、実費での参加でした。
当時は、「結果を出すには、技術や知識が必要だから」という気持ちで参加していました。
正直に言うと、めんどくさい気持ちもありました。
ただ、病院として当たり前に参加するものだったので、周りも参加するし、自分も参加する、という感覚に近かったです。
自分から参加していた外部の勉強会は、大学時代の同級生と一緒に行くことが多かったです。
勉強会に行くというより、同級生に会って近況を聞くついで、という感覚でした。
勉強会は、臨床に役に立ったのか?
10年目になった今、当時参加していた勉強会や研修が、実際の臨床にどれくらい役立ったかを振り返ってみます。
正直に言うと、かなり役に立ちました。
もちろん、自分の治療に役立つかどうかという意味では、当たり外れはありました。
それでも、「こういう考え方もあるんだ」という刺激になりました。
たくさんの理学療法士が勉強会に参加していると知ること自体も、良い刺激になりました。
勉強会に行きたくなくなったのは、5年目から
「勉強会に行かなくてもいいんじゃないか」と考えるようになったのは、5年目くらいからです。
ただ、正直に言うと、今でも「勉強会に行かなくていい」とは思っていません。
それでも、参加する頻度は少しずつ減っていきました。
参加が減った理由
- コロナ禍の影響
- 「また同じ話だな」と思う回数が増えた
- 勉強会は、時間もお金もかかる
- 自分の時間がほしいと思うようになった
- 家族ができて、自分の時間の優先順位が上がった
よく考えると、勉強会で教えてもらう内容は、文献や教科書を、わかりやすくまとめたものが多いという印象を持つようになりました。
それなら、分からないところを重点的に、自分で文献を探して補ったほうが効率がいい。
そう思うようになったのです。
当時は、1か月に4〜5回、勉強会に参加していたこともありました。
同じ話を何回も聞いていて、復習といえばそうですが、復習が多すぎました。
4〜5年目になると、自分が分からないことが明確になってきます。
「この症例の、この部分が分からない。
同じような症例や研究はないかな」と、具体的になっていくのです。
そうなると、総論のような勉強会では、疑問を解決できませんでした。



ただし、お金を払って学ぶ経験そのものには、モチベーションが上がる効果もあると思っています。
時期で変わる、勉強会との付き合い方


1〜3年目は、参加したほうがいいと思う
今でも、「これは勉強会に参加したほうがいい」と思う時期があります。
1年目から3年目くらいまでです。
そもそもの基礎的な部分や、「何が分からないのかも分からない」という段階のときは、勉強会に参加すれば、一般論をわかりやすく教えてもらえます。
新人のときが、いちばんやる気があると思います。
そのときに参加しないと、どんどん意欲が落ちて、勉強会に参加するハードルも上がっていきます。
4〜5年目以降は、自分で学ぶほうが効率的だと感じた
4〜5年目以降は、「勉強会に行くより、自分で勉強したほうが効率的」と感じるようになりました。
分からないところを、自分でピンポイントに調べて補う。
そのほうが、効率よく知識が身につくと感じたのです。
そこで、勉強会への参加を減らして、自宅で文献や参考書で学習したり、先輩や同期と意見を交換したりするようにしました。
そのほうが、新しい知見が増えていきました。
| 1〜3年目 | 4〜5年目以降 | |
|---|---|---|
| 学びたいこと | 基礎・一般論 | 具体的な症例の疑問 |
| 勉強会の価値 | 高い(分かりやすく教えてもらえる) | 総論だと疑問が解決しにくい |
| おすすめ | 積極的に参加 | 必要な知識を、自分のペースで補う |
高いお金を払って、勉強会に参加する価値はある?
「理学療法士の勉強会って、けっこうお金がかかるな」。
新人のころ、私もそう思っていました。
参加費だけで1万円を超える勉強会もあります。
遠方で開催されるなら、交通費もかかります。
せっかくの休日を使って参加するなら、本当にその金額を払う価値があるのかと考えるのは、当然です。
私の結論は、臨床の悩みが明確なら、お金を払う価値があるです。
私は、高い勉強会だから価値がある、とは考えていません。
いちばん大切なのは、その勉強会が、自分の臨床の悩みと一致しているかどうかです。
私の場合は、基本的には「いま担当している患者さんを、どうしたらいいか分からない」という悩みがあって、その解決のために参加していました。
逆に、自分が知りたいことと勉強会の内容がズレていると、どれだけ有名な講師でも、「お金を払ったけれど、あまり使う機会がなかった」と感じることがあります。
お金を払って参加するメリット
- 講師が、内容をわかりやすくまとめてくれている(自分で文献を何本も探して、整理する手間が省ける)
- 周りに、たくさんの理学療法士がいて、刺激を受けられる
自分で文献を探して整理するのも大切ですが、その分野に詳しい講師から体系的に学べるのは、効率がよく、分かりやすいというメリットです。
「自分ももっと勉強しないといけないな」と、モチベーションをもらえるのも、参加する大きなメリットだと思います。
参加してよかった勉強会の例
新人のころ、膝OAの患者さんを担当したことがあります。
その患者さんは、歩行時の荷重時痛が、なかなか改善しませんでした。
当時の私は、「なぜ歩くと痛いのか」「なぜ治療しているのに良くならないのか」が、よく分かっていませんでした。
そこで勉強会に参加して、まず正常な歩行について学びました。
正常な歩行が理解できるようになると、その患者さんの歩行が、正常と比べて何が違うのかが、少しずつ見えるようになりました。
そこから、ROM訓練や筋力トレーニング、ADL訓練などを、状態に合わせて考えて実施しました。
すると、患者さんの状態も良くなっていきました。
さらに、症状がなかなか改善しないと、患者さん自身も不安になります。
「本当に良くなるんですか?」と思うのは、当然です。
そんなときも、勉強会で学んだ病態について、予後予測も含めて説明することで、患者さんの不安を和らげることができました。
学んだ知識なので、説明にも自信を持てます。
そして、治療を続けてもらうことにもつながりました。



勉強会で得た知識は、自分の知識を増やすだけでなく、治療や患者さんへの説明にもつながると感じました。
参加しなければよかった勉強会の例
一方で、すべての勉強会が良かったわけではありません。
せっかく1万円以上のお金を払ったのに、得るものが少なかった経験もあります。
私はクリニックで整形外科分野を担当していましたが、通所リハのヘルプに入ることもありました。
そのため、脳血管障害のリハビリを行うこともあり、麻痺などの病態理解や治療について勉強したいと思っていました。
そこで、脳血管障害を学ぶための勉強会に参加しました。
ところが、その勉強会は、長下肢装具を使った歩行練習がメインでした。
もちろん、内容自体は勉強になります。
ただ、私が知りたかったのは、経験の浅い脳血管障害や麻痺について、一般的な知識を広く学ぶことでした。
かなり実践的な内容に絞られていたので、求めていたものとは少し違いました。
これは、勉強会を主催した方が悪いわけではありません。
私が悪いです。
下調べ不足でした。
私は、あくまでヘルプという立場で、患者さんの担当でもありません。
その状況で、長下肢装具を患者さんに検討するのは、責任を持ってできることではありませんでした。
「知識としては勉強になったけれど、実際に使うことはないな」というのが、正直な感想です。
この経験から、実践的な勉強会だからといって、必ずしも自分にとって価値があるとは限らないと感じました。
「脳血管障害や麻痺について広く知りたい」という私の動機も、ふわっとしていて、具体性に欠けていました。
勉強会を選ぶときに確認していたこと


私が勉強会を選ぶときに確認していたのは、主に講師と内容です。
講師:参考書や文献で気になった著者か
特に参考にしていたのが、参考書や文献を読んでいて気になった著者が、講師をしているかどうかです。
「この人の考え方は面白いな」と思った著者が、勉強会を開催したり、講師として招かれたりしていることがあります。
そういう勉強会は、自分がすでに興味を持っている内容なので、外れは比較的少ないと感じていました。
ただ、それでも、実際に参加すると「思っていた内容と違った」ということはあります。
参加人数も気にしていた
あまりにも参加人数が少ない勉強会だと、「大丈夫かな」と不安になることもありました。
いちばん大事なのは、臨床の悩みと内容が一致しているか
なにより大切なのが、自分の臨床の悩みと、内容が一致しているかです。
たとえば、次のように具体的な悩みがある状態で参加したほうが、得られるものも大きくなります。
- 歩行時に、体幹を安定させる方法が知りたい
- 側弯症の予後や治療方法が知りたい
- 肩のROM制限の原因を知りたい
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 臨床の悩み | 自分の具体的な悩みと、内容が一致しているか |
| 講師 | 参考書や文献で気になった著者か |
| 内容 | 総論か、実践寄りか。自分の目的に合うか |
| 参加人数 | 少なすぎないか |
| 費用と時間 | 参加費・交通費・移動時間まで含めて考える |
高額な勉強会には、慎重になる
同期の中には、10万円以上する手技の勉強会に参加している人もいました。
それだけのお金を払ってでも学びたい内容なら、参加する価値はあると思います。
一方で、私自身は、そういう高額なコースには参加しませんでした。
「周りの人が高額な勉強会に行っているから」「同期が○○コースを取得してかっこいいから」。
こういう理由なら、いったん考え直してもいいと思います。
結局、何にお金を使うかは人それぞれです。
自分に必要かどうかで決めましょう。
もし1年目に戻ったら、勉強会に行く?
もし、自分が理学療法士1年目に戻ったとしたら、勉強会にはどうするか。
正直に言うと、積極的に参加すると思います。
理由は、勉強会に参加することで知識や技術が身につき、治療の効果も出やすくなり、患者さんへの説明にも自信がつくからです。
自分で考えたことを患者さんに説明するとき、「エビデンスもないし、これで合っているのかな」と不安になることがあります。
でも、勉強会で学んだことなら、自信を持って伝えられます。
技術はすぐには身につきません。
でも、知識は、教えてもらったことを覚えるだけなので、勉強すればするほど身についていきます。
その感覚に、楽しさもありました。
それでも、全員が参加しなくてもいいと思う理由
私は勉強会に参加すると思います。
でも、皮肉ではなく、PT全員が参加しなくてもいいとも思っています。
理由は、それぞれの自由な時間だからです。
学ぶペースは人それぞれです。
10年目になってから勉強し始めても、いいと思います。
社会人になって、まずは社会人としての生活についていくのがやっとで、勉強会にまで手が回らない。
そういう状況も、よく分かります。
無理して勉強しても身につきませんし、嫌になってしまうのも目に見えています。
もし、勉強が自分に本当に必要だと感じるタイミングが来たら、そのときにやればいいと思っています。
勉強会以外の学び方:自宅でできる勉強
勉強会に行きたくないときは、自宅での学習で補うのも一つの方法です。
私も、4〜5年目以降は、次のような方法で学んでいました。
- 自分が分からない部分を、文献や参考書でピンポイントに調べる
- 先輩や同期と、意見を交換する
自宅での学習に使えるグッズや、勉強用のタブレットは、こちらの記事で紹介しています。
理学療法士の勉強会に関するよくある質問
Q. 勉強会に行きたくないのは、おかしいですか?
おかしくないと思います。
私も、5年目くらいから参加頻度が減りました。
それでも、振り返ると、新人のころに参加した勉強会は、確かに臨床の役に立っていました。
Q. 勉強会には、何年目まで参加したほうがいいですか?
私の経験では、1〜3年目は、参加して基礎を固めるのがおすすめです。
4〜5年目以降は、自分に必要な知識を、自分のペースで補う学び方も効率的でした。
ただし、人によってペースは違います。
Q. 参加費が高い勉強会は、価値がありますか?
高いから価値がある、とは限りません。
自分の臨床の悩みと、内容が一致しているかを見て判断するのがおすすめです。
私の経験では、参加費が1万円を超えても、内容がずれていて得るものが少なかった勉強会もありました。
Q. 勉強会に行くと、何が良いですか?
講師が内容をわかりやすくまとめてくれること、そして、周りの理学療法士から刺激を受けられることです。
学んだ知識は、患者さんへの説明に自信を持つことにもつながりました。
まとめ:勉強会は、自分のペースで付き合えばいい
「理学療法士だけど、勉強会に行きたくない」と感じるのは、決しておかしなことではありません。
私自身、新人から若手のころは積極的に参加し、5年目くらいから徐々に参加頻度が減りました。
それでも、10年目になって振り返ると、当時参加していた勉強会は、確かに臨床の役に立っていました。
- 1〜3年目は、勉強会に参加して基礎を固める
- 4〜5年目以降は、自分に必要な知識を、自分のペースで補う
- 高いかどうかではなく、自分の臨床の悩みと内容が一致しているかで選ぶ
- 周りに流されず、自分に必要かどうかで決める
これが、私が10年間働いてたどり着いた、勉強会との付き合い方です。
もし今、「勉強会に行きたくないけれど、行かないとダメなのかな」と悩んでいる理学療法士がいたら、それぞれのペースで学んでいけばいいと、私は思っています。




