
整形外科クリニックの集客って、PTが関われるものなんですか?



僕は平社員のPTでしたが、HPとGoogle口コミの改善に関わりました。その体験を一次情報としてまとめます。
この記事は、整形外科クリニックで働いていた平社員の理学療法士(PT)が、
新患を増やすためにホームページ(HP)とGoogleの口コミに取り組んだ体験談です。
きっかけは、職場の「1日18単位」という目標でした。
新患が少ないと、18単位を取るためにPT同士で患者さんを取り合う状況になります。
そこで僕は「取り合うのではなく、患者さん自体を増やせばいい」と考えました。
- 新患が少ない原因は、ネット上での情報発信の弱さにあると考えた
- HPを「患者さんの悩み起点」に作り直し、Google口コミへの返信も行った
- 結果、リハビリの新患が0人の日はほとんどなくなり、全PTが18単位を超えられるようになった
- ただし厳密なデータはなく、「何%増えた」とは言えない
整形外科の集客に取り組んだきっかけは「18単位」
僕が働いていたクリニックでは、PT1人あたり1日18単位が目標でした。
問題は、そもそも新患が少なかったことです。
新患が少ないと18単位が取れません。
すると、PT同士で新しい患者さんを取り合うような状況が生まれます。
僕はこの状況に違和感がありました。
リハビリの内容には自信がありました。
リハビリを受けた患者さんのリピート率も高かったです。
ただ、クリニック自体は古く、地域でリハビリが広く知られているわけではありませんでした。
良いリハビリを提供できていれば、知ってもらえれば必ず満足してもらえる。
そう確信していました。
新しい患者さんが増えれば、PT同士で取り合う必要もなくなります。
そう考えて、僕は病院の集客について考えるようになりました。


担当患者さん100人に聞いてみた|ネット経由はわずか2人程度
まず、自分なりに現状を確認しました。
自分が担当している患者さんに「この病院を何で知りましたか?」と聞いてみたんです。
すると、100人ほど聞いた中で、ホームページやインターネットをきっかけに来た患者さんは、わずか2人程度でした。
「これはさすがに少なすぎる」と感じました。
ある文献では、病院を選ぶ際にインターネットを利用する人が5割近くいるという記載もありました。
確かに僕も、内科にかかるときは必ずネットで病院を調べます。
携帯を持っていない世代は減っていくので、今後もこの割合は増えると予想しました。
それを考えると、僕が働いていたクリニックは、ネット上での情報発信が弱すぎるのではないか。
そう思ったんです。
リハビリに自信があり、リピート率も高い。
だったらネットを使ってHP経由の患者さんを増やせれば、もっと集客できる。
そう考えました。



院長にはすぐ提案できたんですか?



いえ、最初からすんなり通るとは思っていませんでした。提案の「順番」を工夫しました。
平社員の僕が院長にHPの改善を提案した順番
僕は院長に直接「ホームページを変えたほうがいいと思います」と提案しました。
ただ正直なところ、最初から受け入れてもらえるとは思っていませんでした。
院長は昭和世代ということもあり、ネットを使った集客にそこまで前向きではなかったからです。
当時のHPも外部業者に作ってもらったものでした。
更新されているのは主にカレンダーくらいで、内容もかなり古い状態でした。
そこで僕は、いきなり本命の提案をするのではなく、あえて最初にもっとハードルの高い提案をしました。
それが、受付や待合室にGoogle口コミ用のQRコードを置くことです。
自分でも「これはさすがに難しいだろうな」と思っていました。
あえて無理で大きな提案を先にすることで、その後の本命であるHP改善の話をしやすくする狙いがありました。
最終的には、HPの改善だけでなく、Googleの口コミへの対応も含めて、
病院をネット上で知ってもらうための取り組みを進めることになりました。
受付や待合室にGoogle口コミ用のQRコードを置く、という大きな提案を先にしました。
その後に、本命であるホームページ改善の話を持ちかけました。
HP改善だけでなく、口コミへの対応も含めて、ネット上で知ってもらう取り組みにしました。
ホームページで変えたこと|悩みを起点にしたリハビリページへ
それまでのHPは「リハビリテーション科があります」という情報が中心でした。
そこで、実際の治療風景、治療の様子、治療を行う目的、物理療法の説明、
リハビリスタッフの写真、病院や院内の写真などを掲載していきました。
患者さんに協力してもらい、実際の治療の様子が分かる内容も載せました。
リハビリのページそのものも変えました。
単純に「当院にはリハビリがあります」と説明するのではなく、
「こんな症状で困っている方へ」というように、患者さんの悩みを起点にした内容にしたんです。
「ここに行ったら、どんなリハビリを受けられるのか」。
それがHPを見ただけでもイメージできるようにしたかったからです。
| 項目 | 改善前 | 改善後 |
|---|---|---|
| 掲載内容 | 「リハビリテーション科があります」という情報が中心 | 治療風景、治療の目的、物理療法の説明、スタッフの写真、院内の写真 |
| リハビリのページ | 当院にはリハビリがあります、という説明 | 「こんな症状で困っている方へ」と、患者さんの悩みを起点にした構成 |
| 更新状況 | 外部業者が作成。更新はほぼカレンダーのみ | 実際の治療の様子が分かる内容を追加 |
結果的に、「〇〇市 整形外科」と検索したときの順位も大幅にアップして2位になりました。
これにより、新患さんの目に触れる回数を増やすことができます。
MEO対策としてGoogle口コミにも取り組んだ
HPと同時に、Googleの口コミにも目を向けました。
医療機関には、飲食店でいう「食べログ」のような強いサイトがありません。
そのため、患者さんはGoogleマップ上の情報や口コミを病院選びの参考にしているのではないかと考えました。
そこで、Googleに投稿された口コミに対して、病院側からも返信するようにしました。
良い口コミだけでなく、悪い口コミに対しても、必要に応じて丁寧に返信します。
口コミに返信する3つの理由


1つ目は、口コミを書いてくれた本人に対して誠実に対応するためです。
2つ目は、その口コミを見ている第三者にも、病院側がどのように対応しているのかを知ってもらうためです。
3つ目は、病院側もしっかり返信することを知ってもらうことで、今後の悪い口コミに対する抑止にもなると考えたからです。
基本的に、病院の口コミは悪いものが集まりがちです。
納得いかないことを当てつけのように書かれることがあります。
病院側からすればクレーマーなので、放っておくのがベストかもしれません。
しかし第三者からすれば、その悪い口コミがあたかも本当に病院に非があるように見えてしまいます。
そこで口コミに返信し、病院の誠実な対応を見せることで、悪い口コミを書いた側にも問題があるのだと伝わるようにしました。
SEOだけでなく、MEOの視点でHPとGoogleマップ上の情報の両方から、
患者さんが病院を知る入口を増やしていったわけです。
結果|新患が増えた実感と、データを取れなかった限界
取り組みの後、リハビリの新患が0人の日は、以前はよくありました。
それが、ほとんどなくなりました。
忙しい日には、新患が4〜5人来ることもありました。
ただし、HPやGoogle口コミの取り組みだけが原因で新患が増えたと断言できるような、厳密なデータは取れていません。
受付や問診票に「どこでこの病院を知ったのか」という欄を作らせてほしいと相談しましたが、受け入れてもらえなかったからです。
そのため、「HPを変えたことで新患が○%増えた」といった数字は出せません。
あくまで僕が現場で感じた変化です。
それでも、以前とは明らかに患者さんの入り方が変わっていきました。
嬉しい悲鳴|今度は駐車場が足りなくなった
患者さんが増えてくると、別の問題も出てきました。
それまで駐車場に困ることはほとんどありませんでした。
ところが、患者さんやスタッフから「駐車場が空いていない」という話を聞くことが増えていきました。
最終的には、駐車場を10台分確保することになりました。
以前は「どうやって新患を増やすか」と考えていたのに、
今度は「増えた患者さんをどう受け入れるか」という問題が出てきたわけです。
それでも嬉しい悲鳴でした。
PT同士で患者さんを取り合う必要がなくなった
一番嬉しかったのはここです。
最初は18単位を取るために、PT同士で新しい患者さんを取り合うような状況がありました。
でも、患者さん自体が増えれば、その必要はありません。
最終的には、基本的にPT全員が18単位を超えられるようになりました。
必要のない治療を長引かせたり、週1でいいのに週2〜3回の通院をお願いしたりしなくても、
集客して患者さんを増やすほうが医療組織として健全です。
病院としても患者さんが増え、結果的に経営面でも良い方向に進んでいきました。
副業のブログ・Webライター経験が本業で役立った
この経験で面白かったのは、本業とは別にやっていたブログやWebライターの経験が、本業で役立ったことです。
以前からブログやWebライターをやっていたので、HP制作業者とのやり取りでも、ある程度相手の話を理解できました。
SEOやWebサイトについて勉強していたことも、HP改善を考えるうえで役立ちました。
もちろん、この取り組みで僕の給料が上がったわけではありません。
自分から動いたことです。
それでも、副業で身につけた力が本業の病院でもそのまま活かせたのは大きな発見でした。
平社員だから何もできないわけではない
この経験を通して、平社員でも職場の問題を変えることはできるんだなと感じました。
もちろん、すべての提案が通るわけではありません。
でも「自分は平社員だから関係ない」と考えて何もしなければ、何も変わりません。
僕の場合は、18単位という目標に悩んでいたからこそ、「どうやったら既存の患者さんで18単位を取れるようになるか」ではなく、
「そもそも、なぜ患者さんが少ないんだろう?」と考えるようになりました。
そして「PT同士で患者さんを取り合うのではなく、患者さんを増やせばいい」という発想に変わったんです。
よくある質問
平社員のPTでも、クリニックの集客に関わることはできますか?
僕の場合は、院長に直接提案して関わることができました。
ただし、すべての提案が通るわけではありません。
僕は最初に、あえてハードルの高い提案をしてから本命の提案をするという順番を工夫しました。
HP改善で新患は何%増えましたか?
正確な数字は出せません。
「どこでこの病院を知ったか」を問診票で確認させてもらえなかったため、厳密なデータがないからです。
リハビリの新患が0人の日がほとんどなくなった、という現場での実感がすべてです。
悪い口コミにも返信したほうがいいですか?
僕のクリニックでは、悪い口コミにも必要に応じて丁寧に返信していました。
返信を見る第三者に、病院の誠実な対応が伝わると考えたからです。
実際に行う場合は、後述の注意事項のとおり、最新の法令・ガイドラインや各サービスの規約を確認してください。
本記事は、僕が整形外科クリニックで勤務していた際の実体験をもとにした内容です。
医療機関のHPやGoogleなどの口コミを活用した情報発信には、
医療広告に関する法律・ガイドラインや各サービスの利用規約など、守るべきルールがあります。
本記事の内容は、あくまで当時の僕自身の経験を紹介したものであり、
現在の医療機関でそのまま実施することを推奨するものではありません。
実際に取り組む場合は、最新の法令・ガイドラインや各サービスの規約を確認したうえで行ってください。
まとめ
今回の経験をまとめると、「新患が少ない」「18単位が取れない」「PT同士で患者さんを取り合う」「それなら患者さん自体を増やせばいい」「HPを改善」「Google口コミへの対応」「新患が増える」「PT全体が18単位を超えられるようになった」という流れでした。
僕が特別な立場だったわけではありません。
ただの平社員PTです。
それでも、持っていたブログやWebライターの経験を本業に持ち込むことで、
整形外科クリニックの集客という、PTとは少し違った仕事にも関われました。
理学療法士として働いている人の中には、病院の営利的すぎる考えに従うしかなく、
やりたくない治療や本心と違う提案をしている人もいるかもしれません。
そんなときは、目の前の患者さんの取り合いではなく、クリニック全体の新患を増やすことを考えてみるのも一つの方法です。










