
理学療法士って、残業は多いのでしょうか。転職の前に、実際のところが知りたいです。
「理学療法士って、残業は多いんだろうか。
」これから理学療法士を目指す人、転職を考えている人の中には、こう気になっている人もいると思います。
この記事では、まず理学療法士の一般的な残業時間について紹介します。
そのうえで、実際に10年間、整形外科クリニックで理学療法士として働いた僕自身の実態を、正直に書いていきます。
先に結論を言うと、一般的な残業と、実際に僕が経験した残業には、かなりのギャップがありました。
- 公的データでわかる、理学療法士の一般的な残業時間
- 10年間働いた整形外科クリニックの勤務時間と残業の実態
- 残業が発生する理由と、サービス残業の中身
- 転職前に残業について確認したいこと
理学療法士の残業は多い?一般的な残業時間
まず、公的な資料で分かっていることから見ていきます。
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(令和4年・令和5年)によると、理学療法士(作業療法士等を含む職種区分)の月あたりの平均残業時間(超過実労働時間数)は、おおよそ5時間前後とされています。
この調査は、理学療法士単独ではなく、「理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士」という職種区分でまとめられている点には注意が必要です。
もう一つ、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会」(第1回:2016年)の資料5「理学療法士を取り巻く状況について」では、次のようなデータも紹介されています。
- 時間外労働時間(1回あたり):医療機関で53.7分、介護福祉で53.3分
- 1週間の残業時間について、2時間未満と回答した人が最も多い
出典:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第1回)」資料5
これらのデータを見る限り、理学療法士は他の医療職と比べて、残業が特別多い職種ではないという傾向が読み取れます。
ただし、これはあくまで平均値です。
病院、クリニック、介護施設など、職場によって残業の実態にはかなり差があると言われています。
ここまでが、一般的に分かっているデータです。
ここからは、僕自身が実際に10年間働いた職場での実態を紹介していきます。
【実体験】10年間働いた整形外科クリニックの残業事情
勤務時間
僕が10年間勤務していたのは、整形外科クリニックでした。
勤務時間は、次のような形でした。
| 曜日 | 勤務時間 |
|---|---|
| 月・火・木・金 | 8:30〜12:30、14:00〜18:00 |
| 水・土 | 8:30〜12:30 |
| 日曜・祝日 | 休み |


毎日、残業になっていた
午前中も12:30が定時でしたが、新患の対応が入ったり、患者さんのリハビリが時間内に終わらなかったりして、13:00頃になることもありました。
午後は18:00が定時です。
ただ、18:00にリハビリの最終予約を入れていたため、水曜・土曜以外は基本的に毎日残業をしていました。
その際、18単位に満たなければ、その残業には残業代が出ませんでした。
18単位を達成していても、リハビリスタッフ全員の治療が終わり、患者さんが帰るまでは待たなければなりませんでした。
受付や看護師など、リハビリ以外のスタッフは、先に帰っていきます。
最後は、病院の消灯や施錠などをして、19時20分頃に帰ることもありました。
患者さんの治療が立て込んで、カルテやパソコン作業などが残った場合には、20時頃まで残ることもありました。
その時間についても、残業代は出ませんでした。
月の残業代は約10時間ほどですが、サービス残業時間を含めると、約20時間はあったのではと思います。
結局、僕はサービス残業の多さもあって、10年勤めた職場を退職しました。


理学療法士の残業が発生する理由
僕の経験と、一般的に言われている理由を合わせると、残業が発生する理由には次のようなものがあると感じています。
- 終業時間近くまで患者さんの予約が入っている
- 新患対応が入る
- 患者さんの治療が予定時間内に終わらない
- カルテやパソコン作業が残る
- 片付けや施錠などの業務がある
- 職場独自の勤務体制(最終予約の設定など)
ただし、これは僕がいた職場の話であって、「理学療法士だから残業が多い」と一律に言えるわけではありません。
先ほど紹介した公的データの通り、職場によって残業の実態にはかなり差があります。
共通して言えるのは、カルテやパソコン作業が残ることだと思います。
定時の業務中は、18単位以上パンパンにリハビリ予定が詰められていて、カルテやパソコン作業ができないことは、医療従事者あるあるだと思います。
サービス残業の実態|残業代が出ない時間があった
ここが、この記事で一番伝えたい部分です。
僕の職場では、18単位を達成して初めて、18時以降の残業時間が「残業」として認められる仕組みでした。
さらに、次のような場合でも、状況は変わりませんでした。
- 18時の予約患者さんが来なかった
- キャンセルがあった
- 18単位以上をすでに達成していた
- その後、特にやることがなかった
こうした場合でも、リハビリスタッフ全員の治療が終わり、患者さんが帰るまでは帰ることができませんでした。
また、患者さんの治療が終わった後、少し作業をしたり、片付けをしたり、施錠をしたりしても、その時間は残業代に含まれていませんでした。
始業前の実態
- 掃除や準備のため、20分前くらいには来ていた
- 土曜日は病院の鍵を開けるため、40分前に来る
- 始業前の時間については、残業代は出ない
始業前の準備は10分くらいならいいのですが、40分はストレスでした。
こうした、残業代の出ない時間が積み重なっていたことを、あらためて振り返ると、「サービス残業」という言葉が当てはまる働き方だったと感じています。
僕が残業に感じていた違和感
ここからは、僕自身が当時感じていたことを、正直に書いていきます。
僕は、残業が多いと感じていました。
特に、次のようなことに違和感を持っていました。
- サービス残業があること
- 仕事がないのに帰れないこと
- それらが職場の中で当たり前だったこと
正直なところ、法律的にも、残業代が出ないことには違和感がありました。
さらに言うと、残業代が出なくても、やることがあるうちはしょうがないと思って仕事をすることができました。
でも、定時を過ぎて、自分の仕事がすでに終わっているのに、他のスタッフが終わるまで待たなければならないことについては、「何のために待っているんだろう」と感じていました。
院内のパソコンの電源や施錠などのチェックは、最後まで残ったスタッフが行う仕組みでした。
患者さんの治療がすでに終わっているのに、なぜそこまで残らなければならないのか、当時の僕にはよく分かりませんでした。
当時の僕には、管理業務の責任をリハビリスタッフ側に持たせるためのルールのように感じていました。



そして結果的に、こんな病院に勤めている自分の能力不足が悪いんだと思うようになりました。
そして、副業を始めたことで人生が変わりました。
転職の注意点:残業について聞くべきこと
もし今、僕が理学療法士として転職するなら、次のようなことを確認したいと思っています。
- 実際の残業時間
- サービス残業があるかどうか
- 実際の退勤時間
- 始業前の準備時間はどのくらいか
- 残業代がどのように支給されるか
- 勤務後のカルテや事務作業の有無
僕自身の経験から、求人票に掲載されている残業時間よりも、実際は多いことがある、サービス残業がある職場もあると考えています。
同じ理学療法士同士であれば、病院の内情を知っている人や、噂を聞いたことがある人がいることも多いです。
可能であれば、実際に働いている人や、同業者から話を聞いてみることも大切だと思っています。
そういうブラックな病院は、PT間でも情報は回っているものです。
求人サイトに掲載された情報だけをそのまま信じず、できる範囲で情報を集めてから判断することをおすすめします。
転職サイトを実際に使った体験談は、こちらの記事にまとめています。
理学療法士の残業に関するよくある質問
Q. 理学療法士は残業が多い職業ですか?
公的なデータでは、月の平均残業時間はおおよそ5時間前後とされており、特別多い職種ではないという傾向が読み取れます。
ただし、職場によって実態にはかなり差があります。
Q. 公的データと、実際の職場の残業は違うのですか?
一般的なデータでは、実際の職場の働き方までは分かりません。
僕の職場では、公的データの平均より多い残業があり、サービス残業も含まれていました。
Q. 求人票の残業時間は信用できますか?
僕自身の経験から、求人票に掲載されている残業時間よりも、実際は多いことがあると考えています。
サービス残業の有無や、実際の退勤時間も確認することをおすすめします。
Q. 残業について、転職前にどう確認すればいいですか?
実際の残業時間、サービス残業の有無、退勤時間、始業前の準備時間、残業代の支給方法、勤務後の事務作業の有無を確認したいところです。
可能であれば、実際に働いている人や同業者から話を聞いてみましょう。
まとめ|残業は職場ごとに差がある。求人票だけで判断しない
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
「理学療法士の残業は多いのか?」という問いに対して、僕なりの結論をまとめます。
- 理学療法士全体で、一律に残業が多いとは言えない
- 職場によって、残業の実態にはかなり差がある
- 一般的なデータでは、実際の職場の働き方まで分からない
- 残業時間、サービス残業、始業前の拘束時間は要チェック
- 転職を考えるときは、求人票だけで判断せず、可能なら現場の人から話を聞く
僕自身が経験した働き方が、すべての理学療法士に当てはまるわけではありません。
それでも、この記事が「実際のところどうなのか」を知りたい誰かの参考になればうれしいです。








