
面接で転職理由を聞かれたとき、何と答えればいいのでしょうか。正直に話していいのか迷います。
理学療法士が転職するとき、面接で聞かれることの多い質問が転職理由についてです。
「なぜ今の職場を辞めるのですか?」「転職を考えたきっかけは何ですか?」このように聞かれたとき、何と答えればいいのか悩む方も多いのではないでしょうか。
実際の転職理由は、給料や残業、人間関係、休日、職場の方針など、必ずしも前向きなものばかりではありません。
だからといって、面接で本音をすべてそのまま伝えればいいわけでもありません。
大切なのは、転職を考えたきっかけを整理し、転職先で実現したいことまで伝えることです。
この記事では、理学療法士の面接で転職理由を聞かれたときの答え方を、具体的な例文とともに解説します。
- 面接で転職理由が聞かれる理由と、整理のしかた
- ネガティブな理由を前向きに伝えるコツ
- よくある転職理由10個の伝え方と例文
- 避けたいNGな伝え方
- 転職理由に関するよくある質問
面接で転職理由を聞かれるわけ
転職理由を聞かれたとき、「前の職場を辞める理由を細かく確認されている」と考えてしまうかもしれません。
しかし、面接では転職理由そのものだけでなく、その背景や転職先との相性なども確認されています。
理学療法士の転職面接では、これまでの経験や仕事への取り組み方、今後のキャリアなどについて質問されることがあります。
特に転職理由については、次のような点を整理しておくと答えやすくなります。
- なぜ転職を考えたのか
- 現在の職場で何に課題を感じているのか
- 転職によって何を変えたいのか
- 転職先でどのように働きたいのか
つまり、単純に「なぜ辞めるのか」だけではなく、「なぜ転職する必要があるのか」を説明できるようにしておくことが重要です。
転職理由はポジティブに言い換える
転職理由を考えるときに大切なのが、ネガティブな理由を無理に隠すことではなく、前向きな方向に整理することです。
例えば、「給料が低いから辞めたい」という本当の理由があったとします。
これをそのまま伝えるのではなく、「これまでの経験を活かしながら、今後のキャリアや貢献に応じて評価してもらえる環境で働きたい」と伝えることができます。
同じように、次のように整理できます。


| 本当の理由 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 給料が低い | これまでの経験を活かしながら、今後のキャリアや貢献に応じて評価してもらえる環境で働きたい |
| 残業が多い | 長く働き続けられる環境で、仕事と生活のバランスを整えたい |
| 人間関係が悪い | 多職種と連携しながら、より良いチーム医療を実践できる環境で働きたい |
| 勉強できる環境がない | これまでの経験を活かしながら、さらに専門性を高められる環境で学びたい |
ここで注意したいのは、嘘の転職理由を作る必要はないということです。
実際には職場への不満が転職のきっかけだったとしても、その不満だけを伝えるのではなく、「その経験から何を求めるようになったのか」まで説明すると、転職理由として伝わりやすくなります。
よくある転職理由と具体的な伝え方【例文10選】
ここからは、理学療法士にありがちな転職理由と、面接での伝え方を紹介します。



例文の内容は、自分の経験に合わせて言い換えてください。
1.給料・待遇に不満がある
理学療法士として働いていると、経験年数が増えても給料があまり上がらないと感じることがあります。
「給料が安いから辞めたい」とだけ伝えると、待遇面だけを重視しているように受け取られる可能性があります。
「これまで理学療法士として経験を積んできましたが、今後さらに責任のある仕事にも取り組み、経験や貢献を評価していただける環境で働きたいと考え、転職を決意しました。」
このように、待遇への不満だけではなく、今後どのように働きたいのかまで伝えるとよいでしょう。
2.残業が多い
残業時間が長く、生活との両立が難しいことを理由に転職するケースもあります。
ただし、「残業が多くて嫌になった」だけでは、仕事に対する意欲が低いように聞こえてしまう可能性があります。
「現在の職場では業務終了後の残業が多く、今後長く働き続けることを考えたときに、働き方を見直したいと考えるようになりました。これまでの経験を活かしながら、効率よく業務に取り組み、長く貢献できる環境で働きたいと考えています。」
残業を減らしたいという希望そのものが悪いわけではありません。
「楽をしたい」ではなく「長く働き続けるために働き方を見直したい」という方向に整理すると伝えやすくなります。
残業の実態については、僕が10年働いた職場の体験をこちらの記事にまとめています。
3.人間関係が合わない
人間関係は転職理由として非常に言いにくいものの一つです。
「上司と合わない」「職場の人間関係が悪い」など、前職の人を悪く言うのは避けたほうが無難です。
「これまでの職場でも多くのことを学ばせていただきましたが、今後はより多職種との連携を大切にしながら、チームで患者さんを支える環境で経験を積みたいと考え、転職を考えました。」
人間関係の問題を完全に説明するのではなく、自分がどのような職場で働きたいのかに置き換えて伝えます。
4.休日・勤務時間を見直したい
結婚や子育て、生活環境の変化などによって、働き方を変えたいと考える人もいます。
「今後の生活との両立を考えたときに、現在の勤務形態を見直したいと考えるようになりました。これまでの理学療法士としての経験を活かしながら、長期的に仕事を続けられる環境で働きたいと考えています。」
家庭の事情を詳しく説明する必要はありません。
「なぜ今、働き方を変える必要があるのか」が伝われば十分です。
5.教育体制に不満がある
「勉強会がない」「新人教育が不十分」という理由で転職を考える人もいます。
「これまでの臨床経験をさらに深め、今後はより専門的な知識や技術を身につけたいと考えています。そのため、スタッフ同士で学び合える環境で経験を積みたいと思い、転職を考えました。」
「今の職場では何も学べない」という言い方ではなく、自分自身が成長したいという方向に変えるのがポイントです。
6.キャリアアップしたい
転職理由として比較的伝えやすいのがキャリアアップです。
ただし、「スキルアップしたい」だけでは抽象的なので、何を身につけたいのかまで伝えましょう。
「これまで整形外科領域を中心に経験してきましたが、今後はより幅広い疾患のリハビリテーションに携わりたいと考えています。これまでの経験を活かしながら、新しい領域にも挑戦したいと思い、転職を決意しました。」
転職先で経験したいことが具体的であれば、志望動機にもつなげやすくなります。
7.仕事内容を変えたい
外来から病院、病院から訪問、医療から介護など、仕事内容を変えるために転職するケースもあります。
「これまで外来リハビリテーションを中心に経験してきましたが、今後は患者さんの生活場面にも関わるリハビリテーションを経験したいと考えるようになりました。これまで培ってきた臨床経験を活かしながら、新しい領域で経験を積みたいと考えています。」
施設形態を変える場合は、なぜその領域に興味を持ったのかを説明できるようにしておきましょう。
8.職場の方針と自分の考えが合わない
理学療法士として働いていると、リハビリテーションに対する考え方や業務の進め方が、自分の考えと合わないと感じることもあります。
- 患者さんとの時間を大切にしたい
- 業務効率を重視する職場が合わない
- ノルマや単位数へのプレッシャーが大きい
- リハビリ以外の業務が多い
などです。
「これまでの経験を通して、患者さん一人ひとりの状態や生活背景を考えながらリハビリテーションを行うことをより大切にしたいと考えるようになりました。そのため、自分の考えに近い環境で、これまでの経験を活かしたいと思い転職を考えました。」
ここでも、前職の批判ではなく、自分が大切にしたい仕事の軸を伝えることがポイントです。
9.ライフスタイルに合わせて働きたい
生活環境が変わり、働き方を変える必要が出てくることもあります。
- 結婚
- 子育て
- 家族の介護
- 引っ越し
- 通勤時間の短縮
などです。
「今後の生活環境を考えた結果、現在の勤務形態を見直す必要があると考えました。理学療法士としての仕事は今後も続けたいと考えているため、これまでの経験を活かしながら長く働ける環境を探しています。」
ライフイベントが理由の場合は、必要以上にプライベートを詳しく話す必要はありません。
10.他分野に挑戦したい
「今の仕事が嫌だから」ではなく、「新しいことに挑戦したい」という理由で転職するケースです。
「これまでの臨床経験を通して、理学療法士としてさらに幅広い経験を積みたいと考えるようになりました。これまでとは異なる領域にも挑戦することで、自分の知識や経験を広げたいと考えています。」
特に経験年数が長い理学療法士の場合は、これまで何を経験して、それを次の職場でどう活かせるのかまで伝えると説得力が出ます。
転職理由のNGな伝え方
転職理由では、内容そのものよりも伝え方が重要になることがあります。
前職の悪口を言う
「上司が最悪だった」「職場の雰囲気が悪かった」「会社が何もしてくれなかった」など、前職の批判は避けましょう。
事実として不満があったとしても、面接では「自分は次の職場でどう働きたいのか」に話を移すことが大切です。
給料だけを理由にする
「給料が安いから転職します」だけでは、給与条件が良い職場が見つかればすぐに転職してしまうのではないかと考えられる可能性があります。
給与を重視すること自体は問題ありません。
ただし、「これまでの経験や今後の役割を適切に評価してもらえる環境で働きたい」など、キャリアとセットで伝えるとよいでしょう。
「人間関係が嫌だった」で終わる
人間関係が転職のきっかけになることは珍しくありません。
ただ、「人間関係が悪かったので辞めました」だけでは、次の職場でも同じ問題が起きた場合にどうするのかが伝わりません。
「前の職場が嫌だった」と伝えるのではなく、次のように、自分が次の職場で実現したいことまで整理して伝えます。
- より患者さんと向き合える環境で働きたい
- 長く理学療法士を続けられる働き方をしたい
| NGな伝え方 | なぜ避けたいか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 前職の悪口を言う | 前職の批判は避けたほうがよい | 自分は次の職場でどう働きたいのかに話を移す |
| 給料だけを理由にする | 条件が良い職場が見つかればすぐ転職すると考えられる可能性 | キャリアとセットで伝える |
| 「人間関係が嫌だった」で終わる | 次の職場で同じ問題が起きたときにどうするのかが伝わらない | どんな環境で働きたいかまで伝える |
転職理由は「3つ」を整理しておけばOK
転職理由は、無理にきれいな話を作る必要はありません。
次の3つを整理しておけば、面接でも自分の言葉で答えやすくなります。
- なぜ転職したいと思ったのか
- その経験から何を求めるようになったのか
- 次の職場でどう働きたいのか
理学療法士の転職面接に関するよくある質問
Q1.理学療法士の転職理由は正直に話しても大丈夫ですか?
はい。
無理に嘘の理由を作る必要はありません。
ただし、「給料が低い」「人間関係が悪い」「残業が多い」などの不満だけで終わらせるのではなく、そこから次の職場で何を実現したいのかまで伝えることが大切です。
Q2.理学療法士の転職理由で「人間関係」はどう伝えればいいですか?
前職の上司や同僚を批判するのではなく、自分がどのような環境で働きたいのかを伝えるとよいでしょう。
例えば、「多職種と協力しながら患者さんを支えられる環境で働きたいと考え、転職を決意しました」などです。
Q3.「給料が低い」を転職理由にしてもいいですか?
給与を転職理由にすること自体は問題ありません。
ただ、「給料が安いから辞める」という伝え方だけではなく、これまでの経験や今後の役割を踏まえて、自分の仕事を適切に評価してもらえる環境で働きたいという形にすると伝えやすくなります。
Q4.理学療法士の転職面接で、退職理由と転職理由は違いますか?
似ていますが、少し考え方が異なります。
退職理由は「なぜ現在の職場を辞めるのか」、転職理由は「なぜ転職して、次の職場で何をしたいのか」と考えると分かりやすいでしょう。
面接では、退職に至った理由だけでなく、転職後に実現したいことまで一貫して説明できるようにしておくと答えやすくなります。
Q5.理学療法士の転職理由は何分くらいで答えればいいですか?
長く話しすぎず、簡潔にまとめるのがおすすめです。
「転職を考えたきっかけ → 現在の課題 → 転職先で実現したいこと」という流れで整理しておくと、要点を伝えやすくなります。
面接では詳しく聞かれた場合に追加で説明できるよう、転職理由に関連する具体的な経験も整理しておくと安心です。
まとめ|転職理由は、不満で終わらせず実現したいことまで伝える
理学療法士の面接で転職理由を聞かれたときは、前職への不満だけを話すのではなく、転職先で実現したいことまで伝えることが大切です。
ポイントをまとめると、次のとおりです。
- 転職を考えたきっかけを整理する
- 前職の悪口にならないようにする
- ネガティブな理由も無理に隠さない
- 転職によって何を変えたいのかを伝える
- 転職理由と志望動機をつなげる
- 転職先でどのように働きたいのかを具体的にする
転職理由は、人によって大きく異なります。
給料、残業、人間関係、休日、キャリア、仕事内容など、転職を考えるきっかけはさまざまです。
大切なのは、なぜ辞めたいのかだけで終わらず、だから次の職場でどう働きたいのかまで自分の言葉で説明できるようにしておくことです。
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