※本記事は一般的な情報をまとめたものです。診断や治療の代わりにはなりません。強い痛み、しびれ、力が入らない感じがあるときは、医療機関を受診してください。
首がこる、肩が上がらない、背中や胸のあたりがズキッと痛む。
首・肩・背中の痛みは、こりのような軽いものから、神経が関係するものまで幅があり、自分では区別しにくいですよね。
この記事では、整形外科クリニックで10年働いた理学療法士の僕が、首・肩・背中・胸によくある7つの症状を、痛み方ごとに整理しました。
まず確認|すぐに受診したほうがいいサイン
- 胸の痛みに、息苦しさ・冷や汗・吐き気を伴う(すぐに救急へ)
- 手や腕に力が入らない、物をよく落とす
- 箸が使いにくい、ボタンがとめにくいなど、手先の動きがぎこちない
- 歩きにくさや、足のしびれも出てきた
- 発熱を伴う、安静にしていても強く痛む
- 転んだ・ぶつけたあとから、腕が上がらない
胸や背中の痛みは、心臓や肺など内臓の病気が隠れていることもあるため、いつもと違う痛みのときは早めに医療機関で相談してください。
痛み方から探す|早見表
| 痛み方・場面 | 考えられる状態 | 見出し |
|---|---|---|
| 首から腕・手にかけてしびれる | 頸椎症(神経根症など) | 頸椎症 |
| 腕を上げる・つり革でだるい、しびれる | 胸郭出口症候群 | 胸郭出口症候群 |
| 腕が上がらない、夜に肩が痛む | 五十肩・腱板損傷 | 肩の痛み |
| 肩こりと一緒に頭が重い | 緊張型頭痛 | 肩こりと頭痛 |
| 肩甲骨のまわり・背中が痛い | 姿勢・筋肉の疲れなど | 背中・肩甲骨 |
| 肋骨に沿ってピリッと痛む | 肋間神経痛 | 肋間神経痛 |
首から腕にかけて、しびれや痛みがあるとき
頸椎症(首から腕・手のしびれ)
加齢などで首の骨(頸椎)や椎間板が変化し、神経が刺激されて、首から腕・手にかけて痛みやしびれが出る状態とされています。
首を後ろに反らすと腕のしびれが強くなる、といった特徴が知られています。
長時間うつむく姿勢を避ける、画面の高さを目線に近づけるなど、首に負担をかけない工夫が基本です。
手先が不器用になった、歩きにくくなった場合は、脊髄が関係していることもあるため、早めに受診してください。
胸郭出口症候群(腕のだるさ・しびれ)
首から腕へ向かう神経や血管が、鎖骨のまわりで圧迫されて、腕のだるさやしびれが出る状態とされています。
つり革につかまる、洗濯物を干すなど、腕を上げる動作で症状が出やすいと言われています。なで肩の方や、重い荷物を肩にかける方にも見られます。
重いバッグを片方の肩にかけ続けない、猫背を見直す、腕を上げたままの作業に休みを入れる、といった工夫から始めます。
肩が上がらない・夜に痛むとき
五十肩(肩関節周囲炎)
肩の関節のまわりに炎症が起こり、痛みと動かしにくさが出る状態とされています。50歳前後に多いと言われています。
夜に痛みで目が覚める、髪を結ぶ・背中に手を回す動作がつらい、などの特徴があります。
痛みが強い時期は無理に動かさず、落ち着いてきたら、痛みのない範囲で少しずつ動かす、という進め方が一般的です。
腱板損傷・腱板断裂
肩を動かす筋肉の腱(腱板)が傷ついたり切れたりした状態とされています。
転んで手をついた、重い物を持ち上げたなどのきっかけがある場合と、加齢でゆっくり傷む場合があると言われています。
腕を上げる途中で痛む、力が入りにくいなど、五十肩と似た症状もあるため、見分けは整形外科での診察で確認してください。
肩こり・背中のつらさがあるとき
肩こりと緊張型頭痛
首や肩の筋肉がこわばり、頭全体が締めつけられるように重く痛むことがあります。緊張型頭痛と呼ばれる頭痛です。
長時間のデスクワークやスマホ、同じ姿勢の続く作業で起こりやすいとされています。
- 30〜60分に一度は立ち上がり、肩を回す
- 画面を目線の高さに近づける
- 首や肩を温める
- 寝不足やストレスを見直す
突然の激しい頭痛、手足のしびれ・ろれつが回らないなどを伴うときは、すぐに医療機関を受診してください。
背中・肩甲骨のまわりの痛み
背中や肩甲骨のまわりの痛みは、姿勢や筋肉の疲れから来ることが多い一方、首の神経や内臓が関係することもあります。
猫背や巻き肩が続くと、肩甲骨まわりの筋肉に負担がかかりやすいと言われています。
胸を開くストレッチ、肩甲骨を寄せる運動、座り方の見直しなどが、日常で取り入れやすい方法です。
動かしても変わらない痛み、夜間や安静時の痛み、発熱や体重減少を伴うときは、受診してください。
肋間神経痛(肋骨に沿ったピリッとした痛み)
肋骨に沿って走る神経が刺激されて、胸や背中にピリッとした痛みが出る状態とされています。
体をひねる、深呼吸する、咳をするときに痛みが強くなることがあります。
ただし、胸の痛みは心臓や肺の病気が原因のこともあります。自己判断せず、まずは医療機関で原因を確認してもらってください。
痛みのある場所に、帯状に赤い発疹が出てきた場合は、帯状疱疹の可能性もあるため、早めに受診してください。
首・肩・背中のために、毎日できること
| ポイント | 具体的には |
|---|---|
| 姿勢を見直す | 画面は目線の高さ、背もたれに深く座る |
| 同じ姿勢を続けない | 30〜60分に一度、立ち上がって肩を回す |
| 荷物の持ち方 | 重いバッグは左右で持ち替える、リュックにする |
| 温める | 入浴などで首・肩を温める(ケガの直後は除く) |
| 続く痛みは相談 | 数週間続く、しびれが出るときは整形外科へ |
関連する記事もあわせてどうぞ。
参考にした情報
- 日本整形外科学会「頚椎症性神経根症」
- 日本整形外科学会「頚椎症性脊髄症」
- 日本整形外科学会「胸郭出口症候群」
- 日本整形外科学会「五十肩(肩関節周囲炎)」
- 日本整形外科学会「肩腱板断裂」
- 日本整形外科学会「肩こり」
まとめ
首・肩・背中の痛みは、しびれがあるか、腕が上がるか、こりなのか、で整理すると考えやすくなります。
こりや姿勢による痛みは、同じ姿勢を続けない・温める・荷物の持ち方を見直すのが基本です。
手に力が入らない、胸の痛みに息苦しさを伴うなどのときは、迷わず受診してください。
