日本作業療法士協会は、5月25日に開催された総会にて、作業療法定義改定案を取りまとめました。

日本に作業療法士が誕生し50年が経過しましたが、医療から保健、福祉、教育、就労 へと作業療法の役割は拡大し、1985年に日本作業療法士協会が定めた現行の定義では、多様化する作業療法の職能を十分表現できなくなってきています。そこで協会では、第二次作業療法5 ヵ年戦略のなかに作業療法の定義改定を掲げ、約5年間検討を重ね、改定案を取りまとめました。

今回の改定では、「身体又は精神に障害がある者」「主体的な生活の獲得」といった表現ではなく、「医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる作業(身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の 作業に困難が生じている人や集団)」「人々の健康と幸福を促進するため」と、より多様化する作業療法の職能に対応できる表現へと改定されています。

日本作業療法士協会 作業療法の定義(改定案)

作業療法は、人々の健康と幸福を促進するために、医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる、作業に焦点を当てた治療、指導、援助である。作業とは、対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。

(註釈)
・作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われる。
・作業療法の対象となる人々とは、身体、精神、発達、高齢期の障害や、環境への不適応により、日々の 作業に困難が生じている、またはそれが予測される人や集団を指す。
・作業には、日常生活活動、家事、仕事、趣味、遊び、対人交流、休養など、人が営む生活行為と、そ れを行うのに必要な心身の活動が含まれる。
・作業には、人々ができるようになりたいこと、できる必要があること、できることが期待されているこ となど、個別的な目的や価値が含まれる。
・作業に焦点を当てた実践には、心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防する手段としての作業の利 用と、その作業自体を練習し、できるようにしていくという目的としての作業の利用、およびこれらを達 成するための環境への働きかけが含まれる。

 

<現行の定義>

作業療法とは、身体又は精神に障害のある者、またはそれが予測される者に対し、その主体的な生活の獲得を図るため、諸機能の回復、維持及び開発を促す作業活動を用いて、治療、指導及び援助を行うことをいう。

参考:第4号議案 作業療法の定義改定承認の件(PDF)