みなさま、こんにちは。福井です。今年も宜しくお願いたします。

さて昨年12月29日に日本理学療法士協会会長が「今一度、理学療法士の開業権を考える」というメッセージを出されていますが、療法士のみなさんはもう読みましたでしょうか?

以下に簡単にまとめてみました

「平成25年の医政局の予防行為についての通知を境に、理学療法士による開業もどきの動きが強まってしまいました。理学療法士及び作業療法士法では、「理学療法士は、診療の補助として理学療法を行うことを業とすることができる」としています。診療とは医行為であり、その補助という事は、当然主体者(医師)の存在無しには理学療法士は存在しないのです。厚労省医政局の通知にあるように、予防に関しては理学療法士の名称を使いつつ、医師の指示は不要となっています。しかし、予防とは言えども、私は、医師との連携は必要不可欠であると思っています。理由はいくつかありますが、その最たるものは我々には「命を守る」という知識および技術が欠落しているからです。少数の会員でも規範に反すると全体の前進の妨げになります。」というものです。

療法士の前進を妨げているのは会長自身では?

この内容を読んでみてどのように思われましたか?多くの療法士が介護予防の一端を担った仕事をしているこの時代において、会長のメッセージに疑問を抱いた方も多くいたんではないでしょうか?私自身そうでした。会長の考え方こそが、これからのリハビリ業界の前進を妨げることになると思いましたし、介護予防の分野で地域に貢献していきたいと考えている療法士の思いを潰しかねないと感じました。

介護予防はどういった人たちが行っているのか?

現在、市町村からの委託で行われている「介護予防活動普及展開事業」や、介護予防を行うデイサービス等の運営は、どういった方たちがされているんでしょうか?私が知る限り、運営されているのは医療とは関係のない企業や介護系の職種の方達が多いように思います。会長は「予防とは言えども、医師との連携は必要不可欠」「療法士には『命を守る』という知識および技術が欠落している」言われていますが、一般企業や介護系の方たちは十分な知識と技術を持ち合わせ、医師と連携をしっかり取っているのでしょうか?私は一般企業や介護系の方たちではなく、医療に携わってきた療法士こそが健康老人や要支援の方たちの介護予防の一端を担うことが最良なのではないかと思っています。そして、良識のある療法士であれば、日々の体調管理を行い、変調があれば受診を勧めるでしょうし、緊急な対応が必要であれば主治医へ直接報告を行い、必ず連携を取っていくと思います。
医師の立場からすれば、「健康老人の介護予防」の領域まで大きく関与するのはマンパワー的に難しく、任せられるのであれば医療的管理のできる職種に任せたいと思うのではないでしょか。

療法士全体の未来を考えているからこその言葉

多くの療法士が開業し介護予防の分野で活躍することに私は大賛成ですが、会長の言葉も一理あると思います。介護予防で開業している方やこれから開業される方のみならず、療法士全員が今回の会長の言葉を真摯に受け止め、医師のみならず他職種との連携を密にしていくことは大切だと思います。その上で介護予防の分野で活躍し結果を残していく。そうしてはじめて療法士が介護予防の分野で周囲から認められるようになるんだと思います。

こういった時代だからこそ、療法士を抑制するような発言ではなく、介護予防の分野で活躍するための具体的な道筋を作っていく。協会にはそんな役割を担ってほしいものです。

参考:理学療法士協会 会長メッセージ(今一度、理学療法士の「開業権」を考える)

参考:厚生労働省医政局「理学療法士の名称の使用等について(通知)」