前回は、病気を有する方の運転再開に関する法律等をお話させていただきました(前回の記事はこちら)。

様々な法整備が行われており、『正常な運転』というものが当然のことながら求められていますね。
では、その『正常な運転』の可否は、どこでどのように判断されるのでしょうか?

今回は、正常な運転の可否を判断するための必要な手続きに関してお話させて頂きます。

運転可否の判断は運転免許試験場で!

『運転を再開したい』、『急に運転再開しても(させても)良いのかな?』、そう思った時、まずどうすればよいのでしょうか?
運転可否の最終判断は運転免許試験場で行われます。前回でもお伝えしたように、運転に影響を及ぼすことが考えられるという状態をわかっていながら運転をし、万が一事故を起こしてしまった場合、刑罰の対象となることも考えられます。ご心配がおありの方は、運転検挙試験場で判断してもらいましょう。

以下に免許更新時を例にご説明させて頂きます。

更新ハガキが届いたら

運転免許更新ハガキが届いたら、はがきに書いてある持ち物を用意して(運転免許証、手数料、運転免許証更新連絡書、眼鏡や補聴器等、(医師の診断書)など)、お住まいの地域にある運転免許試験場に行きましょう。

障害をお持ちの方の運転取得、免許更新の手続きに関しては、様々な検査が必要となるため警察署では行えません

受付時間(門真運転免許試験場の場合)

  • 休日を除く月曜日から金曜日(午前8時45分~正午、 午後0時45~午後5時まで)
  • 日曜日(午前8時45分から午後5時まで
    ※土曜日、祝日(振替休日を含む。)及び年末年始(12月29日から翌年の1月3日)は、休み。

適性検査・質問票の回答

試験場では、前回でも記載したように、『一定の病気等に該当しないか・正常に運転できるかどうか』を判断するために、質問票の回答、適性検査を行う必要があります。

適性検査では運転シミュレーター等を利用した検査が行われます。そこで、障害の程度により運転補助装置が必要となるのか等評価されます。普通免許であれば、自動車だけではなくバイクの操作も確認されるようです。自動車しか運転しないよって言うのは関係ないみたいですね。もし、万が一自動車の運転は可能だったけどバイクの運転は難しいと判断されても、免許が取り消しになることはありません。免許証の『免許の条件等』にバイクは運転できないことが追記されるようです。

外見上では判断が難しい症状に対して

高次脳機能障害やてんかん発作等の場合、医師の診断書が求められることがあります。診断書は所定の書式があり、免許試験場などで入手できます。取得や更新のために試験場に向ってから診断書が必要となっては二度手間になってしますので、免許が欲しい・更新のハガキが来た等免許証の事で悩まれたら、各県に相談窓口がありますので、まずはご相談いただけたらと思います。

以上の事を踏まえて、運転の可否判定が行われます。

一定の病気等に該当することなどを理由に免許取り消しとなった場合でも、病状が快復し、運転免許を再取得することができる状態になった際には、技能試験および学科試験が免除されます(取消しとなった日から、3年以内に限ります)。

免許更新がまだ先だったとしても、運転免許試験場に連絡し、予約を取ることで、臨時適性検査を受けることが可能です。

 

高次脳機能障がい自動運転評価モデル事業

前項に関しては、最終的な判断、つまりそこで運転の可否が判断されます。ですから、『いきなり試験場に行って、上手くできるかな?』、『医師の診断書が必要と言われたけど、主治医の先生に書けないと言われた』等の心配や問題もありますよね。
また、前回の記事からもわかるように、基本運転に関しては本人の自己申告に任されている部分が大きいため、『本人は大丈夫と言っているけど家族としては心配』なんて事も少なくないと思います。

そこで、大阪では高次脳機能障害を有される自動車運転再開で悩まれている方への支援として、『高次脳機能障がい自動運転評価モデル事業』というものを実施されています。インターネット上では詳しい内容が記載されていないため、大阪府に問い合わせてみました。

目的

すでに自動車運転免許証をお持ちの高次脳機能障がい者の方が安全に運転を行えるか詳しく評価していくとともに、大阪府公安委員会(免許試験場)に提出するための診断書を取得すること

事業内容

医師による診察、神経心理学的検査、自動車学校での運転技能評価が行われます。
医師の診察は大阪府立急性期・総合医療センターにて行われ、また自動車学校で適性検査及び実車評価(作業療法士同乗)が行われます。

期間

相談受付~終了までは、3ヶ月~6か月間ほどかかります。

費用

医療費や運転技能評価にかかる費用は自己負担となり、約2~3万円必要となります。

ここでも、運転不可と判断されることがありますが、運転不可となった要素・問題点等も明確にして下さり、病状が回復したのち、再度事業に参加する事も可能なようです。

 

以上で今回のテーマは最後となります。
車の運転に関して、自宅周辺の環境やご職業によってはどうしても必要と思われている方も多くいらっしゃるかと思います。訪問リハビリで関わっている方が運転再開を希望されているけど、一緒に車に乗って確認することも難しく、悩まれる事もあるかと思いますが、この制度を使えば、実車評価や専門家によるチェック等があり、ご本人様・ご家族様にも安心して検討していけるのではないかと思います。この事業に関して、人数等の制限もあるようですので、興味がおありの方は以下の支援センターに問い合わせてみてください。また、他府県でも、同様の事業をされているところがあるようですので、一度お住まいの役所にご確認ください。

大阪府高次脳機能障がい相談支援センター

06-6692-5262