こんにちわ。みつるです。

担当されているご利用者様から自動車の運転再開をご希望される事がありませんか?お住まいになっている地域や職種によっては、とくに運転再開に向けて強い想いをお持ちだったりされるのではないでしょうか。

そこで今回は、高次脳機能障害を有する方の運転再開について記載していきたいと思います。

高次脳機能障害とは

脳の機能の中で、注意・感情・記憶・行動などの認知機能を高次脳機能と呼び、脳卒中等の病気や怪我によって、その部分が損傷されたことによって出てくる症状を高次脳機能障害と言います。集中して仕事が出来ない、物事を計画立てて進めれない、怒りっぽくなった、車椅子の左側をよく壁などにぶつける、左側の物を見落としやすい等々、様々な症状があります。

高次脳機能障害の主な症状と運転に影響を及ぼすと思われる操作

上記のように高次脳機能障害は、日常生活を行う上で様々な問題が出てきます。外見上はあまり目立たないため、障害を有している事がわかりにくく、周囲の理解もなかなか得られにくい事もあります。また、高次脳機能障害をお持ちのご本人様自身でさえもその認識が乏しい方も多くいらっしゃいます。そこで、運転再開をご希望された場合、リハビリ職種の方は特に悩まれるところではないでしょうか。

以下は、高次脳機能障害が運転に影響を及ぼすことが考えられる症状の一例です。

注意障害  :安全確認、複数の注意を同時に確認できない(信号、歩行者、対向車)

記憶障害  :目的地を忘れる、道に迷う

失語症   :交通事故等、なにかトラブルが発生した時に状況説明等が十分にできない

病識がない :障害があることを本人が自覚できず、慎重な運転ができない

半側空間無視:バイクや自転車に気づかない

 

運転に関する法律

では、上記症状をお持ちの方の運転に関して、法律上はどうなっているのでしょうか?

高次脳機能障害に限りませんが、道路交通法では以下のように定められています。

道路交通法 第六十六条
何人も、前条第一項に規定する場合のほか、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。

当たり前といえば当たり前ですよね。ですから、もし運転に影響を及ぼすことが考えられるという状態にあることをわかっていながら運転を行い、万が一事故を起こしてしまった場合、刑罰の対象となる可能性があり、保険もおりない可能性があります。

その他関連する法令

平成26年6月に道路交通法の一部改正が行われました。その中に、今回の件に関連した内容がありましたので、以下に改正内容を一部抜粋させていただきます(詳しくは大阪警察HPへ)。

一定の病気等に係わる運転者対策関する質問制度や虚偽回答の場合の罰則を新設

「一定の病気等(※1)」に該当するか、自動車等の安全な運転に支障を及ぼす恐れがないかを判断するため、運転免許を新たに取得する場合や免許更新されようとしている方に対して交付される質問票(※2)に、回答することが義務化されました。また、虚偽の回答をした場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

※1一定の病気等とは

てんかんや統合失調症など自動車の運転に支障を及ぼすおそれのある病気のことを言い、
てんかん、統合失調症、再発性の失神、無自覚性の低血糖症、そううつ病、重度の睡眠障害、認知症、高次脳機能障害、アルコール、麻薬中毒者等をいいます。

※2質問票に関して(警視庁Webより)

質問票の内容は以下の通りです。

以下の項目に関し、「はい」又は「いいえ」で回答します。

1 過去5年以内において、病気(病気の治療に伴う症状を含みます。)を原 因として、又は原因は明らかでないが、意識を失ったことがある。

2 過去5年以内において、病気を原因として、身体の全部又は一部が、一時 的に思い通りに動かせなくなったことがある。

3 過去5年以内において、十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、日 中、活動している最中に眠り込んでしまった回数が週3回以上となったこと がある。

4 過去1年以内において、次のいずれかの状態に該当したことがある。 ・ 飲酒を繰り返し、絶えず体にアルコールが入っている状態を3日以上続 けたことが3回以上ある。 ・ 病気の治療のため、医師から飲酒をやめるよう助言を受けているにもか かわらず、飲酒したことが3回以上ある。

5 病気を理由として、医師から、運転免許の取得又は運転を控えるよう助言 を受けている。

質問票の記載内容により、直ちに、運転免許の取消し等にはならないようです。

運転免許の可否は医師の診断等も併せて判断されます。

医師による任意で申告できる制度の新設

医師は一定の病気等に該当する免許保有者を診察した場合、診察結果を任意で公安委員会に届けることができます。

一つ目の質問票でもわかるように、一定の病気等に該当するかなどは自己申告によるものが大きいです。免許停止を恐れ、虚偽記載をし、その後事故を起こして書類送検となった事案もあったようです。

免許の効力暫定停止制度の新設

交通事故を起こした運転者が一定の病気に該当すると疑われる場合は、専門医の診断による取消処分を待たずに、暫定的な免許の停止措置ができるようになりました。

 

様々な自動車事故のニュースが取り上げられている昨今、このように、色々な法の整備が整えられているんですね。

次回は、正常に運転できるかどうかをどのように判断していくのか実際の免許更新に関する手続き方法や大阪府が行っている自動車運転評価事業に関してお話させていただきます。