作業療法士の河原です。私は訪問看護ステーションで勤務していますが、訪問リハビリテーションの動向を知ることも大切です。他サービスの動向を知ることで、自分たちが働く分野の未来を考える大きなヒントとなります。

①医師の指示の明確化

概要※介護予防訪問リハビリテーションについては項目④参照

○ 医師の指示の内容を明確化して、評価するとともに、明確化する内容を考慮しながら、直近の介護事業経営実態調査の結果も踏まえて基本報酬を見直すこととする。
○ 具体的には、医師の詳細な指示について、リハビリテーションマネジメント加算の算定要件として明確化し、別途評価するとともに、介護事業経営実態調査の結果を踏まえ、基本報酬を設定することとする。

単位数
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)
<現行>60単位/月 ⇒<改訂後> 230単位/月

基本報酬(訪問リハビリテーション費)
<現行>302単位/回 ⇒<改訂後> 290単位/回

算定要件等○
○ リハビリテーションマネジメント加算の算定要件に以下の内容を加える。
・指定訪問リハビリテーション事業所の医師が、指定訪問リハビリテーションの実施に当たり、当該事業所の理 学療法士、作業療法士又は言語聴覚士に対し、利用者に対する当該リハビリテーションの目的に加えて、当該 リハビリテーション開始前又は実施中の留意事項、やむを得ず当該リハビリテーションを中止する際の基準、 当該リハビリテーションにおける利用者に対する負荷等のうちいずれか1以上の指示を行うこと。
○ 以下の内容を通知に記載する。
・医師が当該利用者に対して3月以上の継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書の備考 欄に継続利用が必要な理由、その他の指定居宅サービスへの移行の見通しを記載すること。

大きく変わるのは、『基本報酬が下がる。加算が上がる(新設される)。』という介護報酬、診療報酬で行われるいつもの手法です。基本報酬は302単位→290単位と実に4%の減算です。介護保険事業の多くが利益率5%未満ですから、これだけでは多くの訪問リハビリテーション事業所は閉鎖に追い込まれる状況です。今回の訪問リハビリテーション改定の大きなポイントがリハビリテーションマネジメント加算(以下リハマネ加算です)。

医師からの明確な指示が必要になったとはいえ、
60単位/月→230単位/月は大きいです。つまり、リハマネ加算を算定しない事業所運営が難しいともいえます。
リハマネ加算Ⅰを算定している月に4回(1回40分)訪問している利用者さんでシュミレーションしてみると。
<現行>
リハマネ加算Ⅰ60単位+302単位×8=2476単位
<改訂後>
リハマネ加算Ⅰ230単位+290単位×8=2550単位
となるので、リハマネ加算Ⅰを算定できれば報酬が増えることになります。

実は私が気にしているのは以下の文言です。

・医師が当該利用者に対して3月以上の継続利用が必要と判断する場合には、リハビリテーション計画書の備考 欄に継続利用が必要な理由、その他の指定居宅サービスへの移行の見通しを記載すること。

現在介護保険分野ではリハビリテーションを受ける機会は期間を定めて制限されてません。しかし、今後その可能性があると考えています。その期間は3ヶ月である可能性があることをこの文言から読み取れます。
現在も在宅での訪問リハビリや、訪問看護からの理学療法士等の訪問に関して何らかの期間の定めを取っている地域は存在します。今後在宅での療法士によるリハビリはあくまで一時的なもので、通所系への移行が必須となる時代がくるかもしれません。
今回の改定では、3月以上の継続利用に関して計画書備考欄に継続が必要な理由を書くことが求められています。その理由が「本人がデイサービス等の通所系サービスを利用したくない」「脳梗塞後遺症があり、機能維持のためには療法士による専門的なリハビリが必要」などの文言でも継続が可能なのか。
「定期的な吸引が必要で、受け入れ可能な通所系事業所が近くにないため訪問リハビリが必要」のような文言で継続が可能なのかで訪問リハビリ事業所のあり方が大きく変わってくるように思います。もちろん、訪問看護からの理学療法士等の訪問においてもこれらの3月ルールが適応される可能性は高く、動向が気になるところです。
リハマネ加算については新設もされていますので、次回詳しく書いていこうと思います。