新年あけましておめでとうございます。作業療法士の河原です。

先日、成人式での「はれのひ」による夜逃げ同然の行為により多くの成人が被害を受けるというニュースが世間をにぎわせました。どんな企業でも初めから失敗することを考えて事業を始めることはないと思います。しかし、『資金繰りが上手くいかない』『病気などにより事業を続けられない』など廃業を考えないといけない状況というのは起こりうる可能性があります。どのような事業でも、廃業時に周りに迷惑を掛けないように心掛けることは当然で「はれのひ」はそれが全く行うことができなかった(意図的とも考えられますが)と言えます。今回は訪問看護事業における閉鎖、廃業について考えようと思います。

訪問看護はどんな時に閉鎖するの?

全国訪問看護事業協会によると年間1200件もの訪問看護ステーションが新規で開設されています。一方で、休止や廃止をしている訪問看護ステーションは680件程度と新規の半数以上の数が営業を取りやめていることがわかります。

訪問看護ステーションが閉鎖に追いやられる理由は大きく2つあります。

①人員基準を満たせない ②資金繰りが悪化して事業存続が難しい

です。

①の人員基準につきましては、多くのステーションが何度も悩む部分だと思います。訪問看護ステーションの多くが3~4人の看護師で営業しています。そのため、職員の退職や産休などですぐに人員基準である看護師常勤換算2.5人を割ってしまう可能性があります。市町村によっては、人員基準を割った時点から少しの間は猶予をくれることもあるようですが、基本的には人員基準を割ったままでの状態では営業はできません。

②の赤字経営につきましては、どのような会社にでもありうることで。中には決算では黒字でも、資金繰りが上手くいかないこともあります。訪問看護経営でも集客が上手くいかない事業所は多くあり、依頼が思ったより来ないために事業所閉鎖へと追い込まれてしまうことがあります。資金繰りが上手くいかないと求人もできないので、結果的に人員基準を満たすことも難しくなってくると言えます。

訪問看護を閉鎖する際にすべきこと

考えたくはないですが、閉鎖する時のことは多少考えておく必要があるでしょう。また、近隣の訪問看護ステーションが閉鎖する際の状況を見ると「こんな閉鎖はしてはいけないな」等と考えてしまうこともあります。

①閉鎖する2ヵ月前から利用者さんやケアマネさんに閉鎖することを伝える

訪問看護ステーションはどの地域でも供給が十分という状態ではありません。「来月から閉鎖します」なんて言っても、そう簡単に代わりのステーションが見つかるわけではありません。遅くとも2ヵ月前には利用者さんやケアマネさんに相談して次のステーションを探す準備をしましょう。

②十分な引継ぎを行う

次のステーションが決まっても引継ぎをできれば利用者さんの自宅で行う必要があります。当然引継ぎ先のステーションにも予定がありますから、候補日として3週間位の猶予がある方が助かります。そのためにも少しでも早いタイミングで、次のステーションを探す必要があります。

③従業員にも早いタイミングで閉鎖を伝える

利用者さんが次のステーションを探すのには2ヵ月程度必要だと思いますが、従業員が次の就職先を見つけるのは2ヵ月では短いとも言えます。看護師や療法士は比較的就職先を見つけるのは容易な職業と言えますが、それでも2ヵ月は短いです。ましてや事務員さんなどであれば2ヵ月で次の就職先を見つけるのは本当に困難です。従業員には少しでも早く会社の今後について伝えておきましょう。

上記のようなことは当たり前のように思いますが、ぎりぎりのタイミングでステーションの閉鎖を聞くことはあります。どのような業界であっても会社の閉鎖時に周りの人たちに迷惑をかけないことを最優先にする必要があるでしょう。