作業療法士の河原です。先日、認定看護師を取りたいという話から、認定理学療法士や認定看護師について調べてみました。

認定理学療法士、認定看護師制度と目的

日本理学療法士協会によると認定理学療法士とは

新人教育プログラム修了者を対象に、自らの専門性を高め、高い専門的臨床技能の維持、社会、職能面における理学療法の専門性(技術・スキル)を高めていくことを目的としています。
新人教育プログラム修了者は7専門分野(基礎理学療法、神経理学療法、運動器理学療法、内部障害理学療法、生活環境支援理学療法、物理療法、教育・管理理学療法)のいずれかひとつ以上の専門分野に登録し、認定理学療法士を目指します。

日本看護協会によると認定看護師とは

認定看護師とは、本会認定看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することが認められた者をいいます。認定看護師制度は、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を用いて水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより、看護現場における看護ケアの広がりと質の向上をはかることを目的としています。

つまりそれぞれの協会が、ある専門分野において高い技術や知識を持った者として認めた方を認定する制度です。協会が出している文章を読むと少し目的にも違いがあります。理学療法士協会は、個々の療法士の技術や知識の向上を目指しています。一方、看護協会では、認定看護師を社会に送り出すことで、同職場などの看護師の質の向上を目指しています。

同じ認定とつくそれぞれの資格ですが、認定理学療法士、認定看護師を取るまでの過程やメリット等も大きく違いますので、それについて書いていきます。

認定理学療法士になるための条件

※現行制度を書いていますが、平成33年以降は制度が変わる予定です。

1.新人教育プログラムが修了していること。
2.希望領域が含まれる専門分野に登録をしてから2年以上経過していること。
3.希望領域に該当する有効期限内*の認定必須研修会を受講していること。
※認定必須研修会に限り、今年度の認定理学療法士申請期間以降(2017年11月1日~2018年3月31日までの期間)に開催される場合、受講見込であれば受験申請可能です。
4.有効期限内*の協会指定研修を受講していること。
※協会指定研修は、有効期限内であれば1回の受講で複数領域での使用が可能です。
5.上記の条件1.~4.を全て満たし、かつ上記とは別のポイントとして、各領域の履修要件に即したポイント100pを取得していること。

日本理学療法士協会が定める研修に参加していることと、研究発表などをしていることが重要となります。

普段から、研修に参加している方や論文発表などをしている方がとりやすいと言える認定と言えます。

詳しくは日本理学療法士協会HPを参照→日本理学療法士協会HP

認定看護師になるための条件

1.看護師の実務経験が5年以上あること(うち3年以上は専門分野での看護経験が必要。)
2.「認定看護師教育課程」を終了していること
3.「認定看護師認定審査」に合格すること

シンプルですが、簡単というわけではありません。

認定看護師教育課程は6ヶ月以上、615時間以上にわたる時間を要します。多くの、教育機関では就労しながらの受講が難しいのが実態です。つまり、認定理学療法士は今まで参加してきた研修や、研究について評価され与えられる資格であることに対して、認定看護師は新たに6ヶ月以上の教育を受けて与えられる資格と言えます。どちらが難しいかは人によってとらえ方は違うのかもしれませんが、私は圧倒的に認定看護師の方が難しいと考えます。

平成33年4月からの認定理学療法士

実は平成33年より認定理学療法士取得のための課程が大きく変わります。簡単に言うと認定看護師のような教育課程が必要になり、その時間は514.5時間と理学療法士協会は伝えています。これまでは研修や論文発表をして受けられた試験に、長い研修期間を受けてからでないと受けられなくなるわけです。

詳しくはこちら→生涯学習制度が変わります。

認定理学療法士、認定看護師のメリット

認定理学療法士のメリットと明確に言えるものは正直ありません。自分自身が勉強したことや研究してきたことの結果を日本理学療法士協会が認めてくれたものの賜物と言えます。しかし、それは平成32年までの事で平成33年以降は違います。平成33年以降は514.5時間もの研修を経て、新たに知識や技術を得ることができたあかしとなるわけです。現在ある認定理学療法士と平成33年以降の認定理学療法士とを同等のものと考えて良いのかという議論もありますが、今認定理学療法士を持っている人たちは長い研修を受けなくても良いというメリット(デメリット!?)があると思います。

では、認定看護師にメリットがあるのかというと。大きな違いとして「診療報酬が変わる」という点だと思います。様々な分野において認定看護師がいることで加算がつきます。

認定看護師による加算や配置要件についてはこちら→認定看護師・専門看護師による診療報酬の算定と配置要件

認定看護師は知識や技術が優れているだけでなく、条件によって診療報酬も変わるわけです。これは大きなメリットで、日本理学療法士協会は認定理学療法士でも同様に診療報酬としての評価を求めていきたいと考えているようです。

現在認定理学療法士は4,000人程度(平成29年12月現在)。認定看護師は18,000人程度です。助産師が30,000人程度と言われていますので、認定看護師を取得している人がいかに多いかわかります。また、認定看護師を目指したいという声も実際に耳にしますので、それだけメリットのある資格と考えている人が多いのでしょう。

まとめ

今回は同じ「認定」とついた資格について調べてみました。同じような名前の資格でも、取得までに係る時間等まったく違うことが分かります。また、それぞれの協会の思惑や目指す形も垣間見えるのではないでしょうか?

理学療法士、作業療法士という資格は持っているだけで安心という時代は終わりつつあると思います。自分自身のステップアップとして、「認定」や「専門」といった分野を目指すことも大切ではないでしょうか。