作業療法士の河原です。私の働く訪問看護ステーションではSTさんが5人います。内4人が常勤で1人が非常勤ですので、訪問看護ステーションとしては非常に多い数のSTさんが在籍しています。STさんの求人は常時出していますが、なかなか問い合わせの電話もならないのが現状です。STさんがなかなか訪問分野で働こうと思わない現状がある中で、今日はSTさんが訪問分野で非常に求められているということを伝えたいと思います。

訪問リハビリで働く言語聴覚士の実態

少し古い調査にになりますが、平成25年の厚生労働省の調査によると、訪問リハビリ事業所で働く従事者のうちSTが占める割合は7.4%、訪問看護ステーションで働く従事者のうちSTが占める割合は2%となっています。

つまり、訪問リハビリ事業所においてはたまにSTさんがいる程度、訪問看護ステーションではほとんどの事業所でSTさんがいないことがわかります。で、おそらくこの数字は地方に行けば行くほど少なくなります。地方に行けばSTさんを訪問先で探すのは不可能と言えるでしょう。

STさんが5人いる訪問看護ステーションでのSTさんの役割

そんなSTさんが5人もいる事業所で、STさんの仕事はあるの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、もちろん仕事はありあます!!統計を取っていなくて申し訳ないですが、「嚥下」と「高次脳機能障害」に対してのリハビリを分けると「嚥下」に対しての割合が7~8割、「高次脳機能障害」に対しての割合が2~3割と言ったところではないでしょうか。また、在宅や施設に関わらず医師と連携して食形態のアドバイス等実際の訪問業務だけでなく、相談業務に出ることもSTの役割の一つと考えています。

在宅では「誤嚥性肺炎の度に入退院を繰り返している方」「嚥下機能の評価を受けられず、どのような食形態で食事を食べればいいのかわからない方」「高次脳機能障害があるが、病院まで通院できない方」などなど、本当に多くのSTさんを求めている方が多くいらっしゃいます。

訪問分野で働こうとするSTさんの不安

面接や見学に来られるSTさんの中には訪問分野未経験の方も多くいらっしゃいます。そういったSTさんは少なからず不安を抱えておられます。一番多くの方が質問されるのが「嚥下訓練中に医師が近くにいない状況で、何かあればどうしたらいいですか?」というものです。実際私が働く訪問看護ステーションでは、5年以上STさんが働いていますが、リハビリ中に状態が急変するようなことは一度もありません。もちろんリハビリ中に利用者さんが急変する可能性はあるわけですが、その時は「救急車を呼ぶ」というのが最終的な手段となります。訪問看護ステーションの場合であれば、看護師に電話で相談することも可能ですし、看護師が様子を伺うことも可能だと思います。急変時の対応に関してはステーションによって対応が違いますので、面接時には確認しておくことが大切です。

STさんの活躍が求められる訪問分野

日本ではこれからますます医療、介護共に在宅でサービスを受ける方が増え、重症度の高い方の在宅での生活も増えます。そんな中、「食べられない」「誤嚥性肺炎が怖い」と不安を感じている方は本当に多いです。往診医や訪問看護師だけでは、その不安を払拭するのは制度的にも、人員的にもまだまだ足りていない状態です。当然STさんにその活躍が求められるわけですが、STさんは医師や看護師以上に人が足りていない状況です。加えて、STさんの役割やできる事を知らないケアマネさん、地域の方はたくさんいらっしゃいます。そのためSTを知らない方への啓蒙活動も今後STさんに求められる大きな役割の一つと言えます。

このブログを見て、ひとりでも多くのSTさんが地域で活躍してくださることを切に願います。