福祉用具、積極的に使用されていますか?

「職場における腰痛予防対策指針」というものをご存知でしょうか?
現社会において、腰痛は職業性疾病として大きな問題となっており、厚生労働省が、主に重量物を取り扱う事業場などに対して、啓発や指導を行うために、平成6年9月に「職場における腰痛予防対策指針」というものを策定しました。
指針の内容を簡単に言うと、腰痛予防のための作業方法や作業環境を整え(労働衛生管理体制の整備)、腰痛の発生となる要因を見つけ出し(リスクアセスメントの実施)、予防対策の推進を図る(労働安全衛生マネジメントシステムでの取り組み)というものです。

その「職場における腰痛予防対策指針」が平成25年6月に改訂されました。その改訂事項の中には、適用対象を介護・看護作業全般にも広げる事、そして移乗介護においてリフト等の福祉用具を積極的に使用することなどが含まれています。ある調査によると看護師、理学療法士、介護士等の医療関連職種の7~8割が腰痛経験者との報告もあり、高齢化が進むわが国では介護・医療現場での腰痛予防は重要な課題ということだと思います。
※⇒厚生労働省の発表はこちら
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/youtsuushishin.html
⇒改訂された新しい「職場における腰痛予防対策指針」はこちら
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000034et4-att/2r98520000034mtc_1.pdf

リフト等の移乗用福祉用具に関し欧米では積極的に使用されているといったこともよく耳にしますが、では、皆様の周りではどうでしょうか?私は、訪問業務に従事しているのですが、リフトやスライディングボード等を使用されている方はあまり見かけません。その理由としては、時間の制約等の介護者のマンパワー不足や有効性があまり認知されていないことが挙げられると思います。また、使用方法がわからない、そもそもそんな用具知らなかったなんて事もあるのではないでしょうか。

利用者は在宅生活で初めて福祉用具を体験することも多く、『使い方が難しそう・・・』、『使い方を間違えて怪我でもしたら・・・』といったようなご意見もよく聞かれます。導入を試みるためには、普段その利用者と深く関わっている介護や医療職のスタッフが正しい知識を持って提案することが必要で、そうすることが導入に結び付きやすいのではと思います。

介護保険法の施行により福祉用具事業に参入する業者は増加し、選択できるサービスの幅は大きく広がりました。そのため、対象者に合った用具を的確に選択する事が求められ、多量の知識を有することが必要となります。

最後になりましたが、自己紹介をさせていただきます。
理学療法士13年目、大西と申します。訪問業務に携わって約6年、病院でも在宅でもチームで関わることの重要性と難しさを日々痛感しながら、ご利用者様のお宅を回らせていただいています。私が担当させて頂く記事では、福祉用具に限らず様々な介護・医療に係る用具の使用方法やメーカーやサイズの異なる同種の用具の比較、新しい福祉用具の紹介等を行い、介護者の負担軽減やご利用者様の活動範囲の拡大等のお手伝いが出来ればと思います。

今後の予定としては、新しい歩行器の紹介やスライディングボードの使用方法を掲載する予定です。