こんにちは、だいすけです。
○○と○○、違いってなに?シリーズ。
「訪問看護」と「訪問リハビリ」の違いについての第4弾。

第4弾の今回は、実際に訪問看護と訪問リハビリで働いてきた私の主観的な意見を述べてみたいと思います。
医療・介護は他職種での連携が大切なので、今回は他職種連携に関して述べたいと思います。
来春から訪問系の事業所で働こうかな?と考えている方にとって、参考になれば幸いです。


基本的な内容を復習したいという方は、第1弾から第3弾までを御覧ください。

第1弾では訪問看護と訪問リハビリテーションの基本的な違いについて介護保険法に基づいてお話しました。
詳しくは第1弾を御覧ください。
「訪問看護」と「訪問リハビリ」似ているけれど別物です。第1弾

第2弾は、基本方針や設備などの基準を比較しました。
基本方針にリハビリテーションという文言があるかないか、またそれぞれの母体が異なることを説明しました。
詳しくは第2弾を御覧ください。
「訪問看護」と「訪問リハビリ」似ているけれど別物です。第2弾

第3弾では「訪問看護」と「訪問リハビリ」の人員に関する基準について比較しました。
管理者や看護師の設置義務など違いは明確でしたね。
詳しくは第3弾を御覧ください。
「訪問看護」と「訪問リハビリ」似ているけれど別物です。第3弾

看護師との連携に関して

理学・作業療法士、言語聴覚士(以下PT等)と看護師との連携が取りやすのはどちらか?

人員基準で看護師の配置が決められているのは、訪問看護ステーションです。事務所には必ず看護師がいらっしゃいます。PT等だけが担当しているご利用者の相談も気軽にできるのは訪問看護ステーションだと思います。私は理学療法士として判断に迷った時は病院で働いていても訪問看護ステーションで働いていても必ず看護師に相談するようにしています。そういった点で気軽に話しかけられる訪問看護ステーションは働きやすい職場と言えます。

先日こんなことがありました。

〈エピソード1〉
私が担当している70代後半男性を訪問したところ、奥様から「1週間食事をとれていない」とお話がありました。奥様は救急車を呼ぼうと少し気が動転しています。理学療法士として何かを判断するのは困難だと考えた私は、事務所にいる看護師に電話で相談しました。すると、約30分後に緊急訪問してくださり、看護師としての適切な判断のもと、救急車を呼ぶことなく、事なきを得たということがありました。もちろん担当ケアマネさんとも連携済みです。

これは、たまたま看護師が事務所にいたからうまくいったのかもしれませんが、これくらいフットワークが軽いのが訪問看護ステーションの良いところだと思います。訪問看護ステーションは、同じフロアで看護師とPT等が働いていますので、すぐに声をかけやすいです。お昼休みに看護師のみなさんと食べるご飯もまた格別です。

一つだけ否定的なことを言えば、PT等を「マッサージや体操をする人でしょ?」と思っている看護師と会話をするのは少し骨が折れます。

以前こんなことがありました。

〈エピソード2〉
末期がんを患っている方を担当したときのことです。看護師にこのようなことを言われました。
「訪問してもなにも出来ることは無いので、見守りだけしてくださいますか??」

んー、どうなんでしょう。看護師に他意があるわけではないのはわかっています。
我々PT等はリハビリテーションを目的に訪問しています。そして、リハビリテーションは単なる機能訓練ではありません。マッサージや体操だけをやりに訪問しているわけではないんです。

理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士による訪問看護は、その訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、保健師又は看護師の代わりに訪問させるという位置付けのものであり

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(訪問通所サービス及び居宅療養管理指導に係る部分)及び指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準の制定に伴う実施上の留意事項について

リハビリテーションは全人的復権を理念とし、理学療法などの技術を使い、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものなんです。
末期がんを患っている方に出来ることは少ないかもしれません。それに、無理なことは無理と言わなければなりません。
ですが、何も出来ないから見守りだけをするなんていう判断を我々はしません。リハビリテーションは起きること、歩くこと、外出すること、だけではありません。全人的復権です。

その辺の定義の捉え方の違いによって、考え方の食い違いが生まれてしまうこともあります。このようなことはどこで働いていても起こりうることですが、職種の距離が近い分、何か気になってしまいました。
是非、リハビリテーションの魅力や奥深さを知っていただきたいな、と思います。

では、訪問リハビリでは看護師との連携が希薄か?というとそうでもありません。母体の病院やクリニックなどで働いている看護師にいつでも相談は出来ます。ただ、同じフロアで働いていることは少ないと思うので、訪問看護ステーションに比べると、少しだけ看護師―PT等間の連携は取りにくいかもしれません。

結局は訪問看護ステーションで働いていても、訪問リハビリで働いていても、職場内での人間関係の構築が出来ているかどうかが重要ですよね。

医師との連携に関して

では、PT等と医師との連携が取りやすいのはどちらか?

これは明白ですね。母体が医療法人のほうが、確実に連携がとりやすいです。ご利用者の細かい体調の変化をリアルタイムで医師に報告し指示を仰ぐことができます。新規の指示の内容も具体的ですし、疑問に思ったらすぐに聞きにいける環境にあります。理学療法の内容に関してのリスク管理も適切に出来ますし、リハビリテーションの目標も様々な視点から考えることが出来ます。

上述したような訪問先でのトラブルにもすぐに対応してくださいます。

〈エピソード3〉
私がクリニックで働いていた頃、訪問先で意識消失されているご利用者がいました。
奥様はパニックになって取り乱し、意識消失されているご主人の血圧はどんどん下がっていく。私もかなり焦りましたがそこは冷静に理学療法士としてできることを行い、それから血圧が安定したところで近くを訪問している医師に連絡しすぐに来てもらいました。その時も、医師の適切な処置により事なきを得たのです。

普段からまめに医師とコミュニケーションをとることができるので、トラブルが起こったときも迅速に対応してくださいます。
それと、これは完全に私の主観的な意見ですが、理学療法士として私が1番学びとなるのは、医師との会話だと思っています。担当患者のこと、疾患のこと、症状のこと、検査・測定のこと、その他医療に関わる諸々のことを忙しい医師に簡潔に伝わるよう配慮しながら質問し、医師から帰ってきた返答などの情報は教科書を読むよりも新鮮な情報だと思います。MRIやCT、レントゲンの見方も全て医師に教わりました。今でもその知識は私の臨床に役立っています。

母体が医療法人の訪問看護ステーションや訪問リハビリであれば、医師を交えたカンファレンスが行われると思います。これもかなりの学びの場となります。

指示書に関して

医師との連携に関連して、指示書についても比較してみましょう。

ここでざっとサービス提供の流れを見てみます。

訪問看護訪問リハビリ
利用者の申込み利用者の申込み
被保険者証の確認
重要事項説明書による説明・同意・交付
被保険者証の確認
重要事項説明書による説明・同意・交付
契約の締結契約の締結
心身の状況等の把握心身の状況等の把握
面談、訪問看護計画または介護予防訪問看護計画の作成
←主治医の訪問看護指示書
→主治医へ訪問看護計画書提出
面談、リハビリテーション計画の作成
サービスの提供
→関係者との連携、事故発生時の対応、苦情対応等
サービスの提供
→関係者との連携、事故発生時の対応、苦情対応等
サービス記録の整備、訪問看護報告書の作成サービス記録の整備
利用料の受領、領収書等の発行利用料の受領、領収書等の発行
終了終了

共通している部分も多い(①、②、③、④、⑥、⑧)ですが、異なる点はやはり指示書に関してでしょうか。

株式会社などが運営する訪問看護ステーションに出される指示は、全く知らないとは言いませんが、基本的にはそれほど面識のない医師からの指示になることが多いです。逆に医療法人が運営する訪問看護ステーションに出される指示は、おおよそ医療法人に在籍する医師から出されるものだと思います。

訪問リハビリに関しては以下の通りです。

訪問リハビリテーション費 算定の基準について

1 訪問リハビリテーションは、計画的な医学的管理を行っている医師の指示の下、実施すること。
訪問リハビリテーションは、計画的な医学的管理を行っている医師の診療の日から3月以内に行われた場合に算定する。
また、別の医療機関の計画的な医学的管理を行っている医師 から情報提供(リハビリテーションの指示等)を受けて、訪問 リハビリテーションを実施した場合には、情報提供を行った医 療機関の医師による当該情報提供の基礎となる診療の日から三 月以内に行われた場合に算定する。
この場合、少なくとも3月に1回は、訪問リハビリテーショ ン事業所は当該情報提供を行った医師に対して訪問リハビリテーション計画について医師による情報提供を行う。

指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準

私が初めて医療法人以外で働き始めたときは非常に戸惑いました。
医学的な情報が、医療法人で働いていたときに比べるとかなり少ないからです。大腿骨頸部骨折術後のご利用者の画像を見ないまま訪問へ行くなんて、医療法人で働いているときには考えられません。先輩がいたら怒られるでしょうし、実習だったら中止になってしまうかもしれませんよね。

でも、まぁ、何ヶ月かすれば慣れてくるもんです、、、。
実際、術後の画像を見る必要なんて、あるのかなぁ〜??

ということを言うと、批判の声があるかもしれませんので、ココではあえて
「画像所見は必ずみるべし!!」
と言っておきましょう。

理想的なのは、指示を出した医師との密接な連携が取れている状態です。これは言うまでもありません。母体が医療法人かどうかはあまり関係なく、担当の努力次第でどうにでもなることです。担当、つまり指示を出した医師、指示を受けたPT等や看護師です。指示を出した医師にもちろん責任があるわけで、1週間に何回・何分の訪問でどれくらいの効果があるか、きちんと判断した上での指示でなければなりません。医療・介護ってそういうものです。そうでなければ、エンドレスに訪問が続き、日本の医療・介護の財政は破綻してしまいますよね??

前述したリハビリテーションとは単なる機能訓練ではないことは、介護給付費分科会(平成29年4月26日)でも明記されています。

リハビリテーションの目的

リハビリテーションは、心身に障害を持つ人々の全人間的復権を理念として、単なる機能回復訓練ではなく、潜在する能力を最大限に発揮させ、日常生活の活動を高め、家庭や社会への参加を可能にし、その自立を促すものである。

第137回社会保障審議会介護給付費分科会資料

この文言はなにも、先月初めて言われたことではないですし、私が知っている限り、社会保障審議会がリハビリテーションの定義から外れたことなんて一回もありません。

担当しているPT等もきちんと報告書を書き、理学療法や作業療法、言語聴覚療法にどれくらいの効果があって、どれくらいリハビリテーションが出来ているのか、医師にフィードバックしなければなりません。病院では当然のことです。働く場が在宅に変わったからと言って、医師とコメディカルの関係性はなんら変わらないと思います。

第四節 運営に関する基準

(主治の医師との関係)
第六十九条  指定訪問看護事業所の管理者は、主治の医師の指示に基づき適切な指定訪問看護が行われるよう必要な管理をしなければならない。
2  指定訪問看護事業者は、指定訪問看護の提供の開始に際し、主治の医師による指示を文書で受けなければならない。
3  指定訪問看護事業者は、主治の医師に次条第一項に規定する訪問看護計画書及び訪問看護報告書を提出し、指定訪問看護の提供に当たって主治の医師との密接な連携を図らなければならない。
4  当該指定訪問看護事業所が指定訪問看護を担当する医療機関である場合にあっては、前二項の規定にかかわらず、第二項の主治の医師の文書による指示並びに前項の訪問看護計画書及び訪問看護報告書の提出は、診療録その他の診療に関する記録(以下「診療記録」という。)への記載をもって代えることができる。

(訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成)
第七十条  看護師等(准看護師を除く。以下この条において同じ。)は、利用者の希望、主治の医師の指示及び心身の状況等を踏まえて、療養上の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問看護計画書を作成しなければならない。
2  看護師等は、既に居宅サービス計画等が作成されている場合は、当該計画の内容に沿って訪問看護計画書を作成しなければならない。
3  看護師等は、訪問看護計画書の作成に当たっては、その主要な事項について利用者又はその家族に対して説明し、利用者の同意を得なければならない。
4  看護師等は、訪問看護計画書を作成した際には、当該訪問看護計画書を利用者に交付しなければならない。
5  看護師等は、訪問日、提供した看護内容等を記載した訪問看護報告書を作成しなければならない。
6  指定訪問看護事業所の管理者は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成に関し、必要な指導及び管理を行わなければならない。
7  前条第四項の規定は、訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成について準用する。

PT等だけで判断できることってそれほど多くないと私は思います。困ったときこそ他職種に相談!!です。
事業形態によって、近くにいる職種が異なるので、そういった点も就職先を決める際の判断基準になるかもしれません。

まとめ

第4弾は訪問看護と訪問リハビリの違いについて、他職種連携に絡めて書きました。
内容のほとんどは私の主観的な意見です。
だいぶ私の「思い」が出てしまいましたが。

働く環境によって他職種との距離感は異なります。距離感が異なれば連携の取りやすさも異なります。訪問リハビリ、母体が医療法人の訪問看護ステーション、母体が株式会社等の訪問看護ステーション、それぞれに特色があります。その特色の違いの大半は基本方針、人員・設備・運営に関する基準を見ればわかります。すべてを知るためには実際に働いてみなければなりません。
自分が次の転職先で何をしたいのかある程度明確にした上で、訪問系の職場の特色を踏まえ、就職活動したほうが良いでしょう。

第4弾まで続きました訪問看護と訪問リハビリの違い、最後第5弾で読者の皆さまが1番知りたいと思われる報酬面の比較をしたいと思います。