こんにちは、だいすけです。
「○○と○○、違いってなに?シリーズ」の第2弾です。

第1弾では訪問看護と訪問リハビリテーションの違いについて介護保険法に基づいてお話しました。
訪問看護と訪問リハビリを混同している方が多いと思いますが、根本的に内容が異なります。
詳しくは第1弾を御覧ください。
「訪問看護」と「訪問リハビリ」似ているけれど別物です。第1弾

第2弾の今回は、より具体的に中身を比較したいと思います。

訪問看護と訪問リハビリテーションのより具体的な内容は、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」に書いてありました。

基本方針

まずは基本方針から比較しましょう。

○訪問看護

第五十九条  指定居宅サービスに該当する訪問看護(以下「指定訪問看護」という。)の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、その療養生活を支援し、心身の機能の維持回復及び生活機能の維持又は向上を目指すものでなければならない。

○訪問リハビリテーション

第七十五条  指定居宅サービスに該当する訪問リハビリテーション(以下「指定訪問リハビリテーション」という。)の事業は、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう生活機能の維持又は向上を目指し、利用者の居宅において、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことにより、利用者の心身の機能の維持回復を図るものでなければならない。

こういうのは表にするとスッキリします。

 共通する部分異なる部分
訪問看護介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようその療養生活を支援し、心身の機能の維持回復及び生活機能の維持又は向上を目指すものでなければならない。
訪問リハビリテーション生活機能の維持又は向上を目指し、利用者の居宅において、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うことにより、利用者の心身の機能の維持回復を図るものでなければならない。

〜でなければならない、と記載がありますね。
義務規定と努力義務規定というものがあります。〜なければならない、は義務規定です。
義務規定・努力義務規定に関してはこちらを参照してください。
「努力」しているからOKでしょ?はダメ!!

訪問看護と訪問リハビリテーションの基本方針を比較したとき、明確に異なるのは、「リハビリテーション」という文言があるかないか、ですね。

訪問看護→療養生活の支援
訪問リハビリテーション→理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション

です。

少し脱線しますが、ここでいうリハビリテーションとは何を指すと思われますか??
「その他必要なリハビリテーション」、うーん、これはいわゆる機能訓練を指すのか、定義どおりのリハビリテーションなのか。
もう一度リハビリテーションという言葉について復習されるなら、以下のブログをご参照ください。

第1弾はリハビリテーションの歴史についてお話しました。古代ローマと、大戦という大きな歴史的な流れの中でリハビリテーションという言葉は生まれ、そして広まりました。
理学・作業療法士のみなさ〜ん!正しく言葉使っていますか?第1弾

第2弾はリハビリテーションの定義についてお話しました。世界的な定義と日本での定義について述べました。
理学・作業療法士のみなさ〜ん!正しく言葉使っていますか?第2弾

第3弾はまとめとして私の意見を述べました。
言葉はTPOで使い分けましょうね、ということでしたね。 
理学・作業療法士のみなさ〜ん!正しく言葉使っていますか?第3弾

次は人員に関する基準の比較、といきたいとこですが、かなりボリュームがあるので、この部分だけを第3弾で取り上げようと思います。

というわけで、次は設備に関する基準です。

設備に関する基準

○訪問看護

第六十二条  指定訪問看護ステーションには、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の事務室を設けるほか、指定訪問看護の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。ただし、当該指定訪問看護ステーションの同一敷地内に他の事業所、施設等がある場合は、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けることで足りるものとする。

2  指定訪問看護を担当する医療機関は、事業の運営を行うために必要な広さを有する専ら指定訪問看護の事業の用に供する区画を確保するとともに、指定訪問看護の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。

3  指定訪問看護事業者が指定介護予防訪問看護事業者の指定を併せて受け、かつ、指定訪問看護の事業と指定介護予防訪問看護の事業とが同一の事業所において一体的に運営されている場合については、指定介護予防サービス等基準第六十五条第一項 又は第二項 に規定する設備に関する基準を満たすことをもって、第一項又は前項に規定する基準を満たしているものとみなすことができる。

○訪問リハビリテーション

第七十七条  指定訪問リハビリテーション事業所は、病院、診療所又は介護老人保健施設であって、事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設けているとともに、指定訪問リハビリテーションの提供に必要な設備及び備品等を備えているものでなければならない。

2  指定訪問リハビリテーション事業者が指定介護予防訪問リハビリテーション事業者の指定を併せて受け、かつ、指定訪問リハビリテーションの事業と指定介護予防訪問リハビリテーションの事業とが同一の事業所において一体的に運営されている場合については、指定介護予防サービス等基準第八十条第一項 に規定する設備に関する基準を満たすことをもって、前項に規定する基準を満たしているものとみなすことができる。

これも表にしてみましょう。

 共通する部分異なる部分
訪問看護・事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の区画を設ける

・(当該サービスの)提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない
・事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の事務室
訪問リハビリテーション・病院、診療所又は介護老人保健施設

これも明確に違いがわかりますね。

訪問看護は専用の事務室、訪問リハビリテーションは病院、診療所又は介護老人保健施設です。
訪問リハビリテーションを開設する場合は病院等でなければダメです。

事務所の面積などは特に規定が無いようです。
賃貸アパートの一室を利用したりするところが多いと思います。

ちなみに、私が以前勤めていたクリニックには訪問看護、訪問看護のサテライト、訪問リハビリテーションがありました。訪問看護は賃貸マンションの一室、訪問看護のサテライトは同法人が運営するデイサービスの2階に専用の区画があり、訪問リハビリテーションは専用の事務所はありませんでした。

まとめ

訪問看護と訪問リハビリテーションの基本方針と設備に関する基準の比較をしました。
今回の比較でさらにはっきりと違いがわかったのではないでしょうか?

まったくの別物ですよね。
はっきりと異なるのは、運営する母体が病院、診療所又は介護老人保健施設なのか否かです。
病院等が訪問看護ステーションを開設することは問題ありませんが、株式会社などが訪問リハビリテーションを開設することは出来ません。

次回第3弾は人員に関する基準の比較をしようと思います。

そして第4弾では、在宅医療における訪問看護と訪問リハビリテーションの使い分けについて、私の見解を述べたいと思います。