あいーとについて

2回目の『あいーと』試食は、銀鮭の塩焼きです。

鮭の塩焼きというと、白ご飯がすすむ一品ですよね。
しかしながら、魚を焼くと、種類によって差はあれど、身のパサつきが出て口の中でまとまりにくく残りやすくなります。

私たちが固形物を食べる時は、食べ物を咀嚼して柔らかくし、唾液と混ぜ合わせ、舌や頬を使って団子状にまとめ、飲み込みやすい状態にしてから嚥下します。
しかし、麻痺や筋力低下があると、食べ物を十分に咀嚼できなかったり、飲み込みやすい状態にまとめることができなくなるため、口や喉に食べ物が散らばって残り、誤嚥につながってしまいます。

そもそも口の中でまとまりにくく残りやすい焼き魚、というのは難易度が高い食べ物なのですが、食べたいと希望される方が多いものでもあります。

病院や施設では、食べ物を噛んだりまとめたりする力が弱くなった方に焼き魚を提供する時は、細かく刻んだり、それにトロミ餡をかけてまとまりやすくしたりと工夫していますが、見た目、食感とも本来の焼き魚から離れてしまうため、受け入れが良くないことがあります。

そこで『あいーと』の出番となるわけですね。『あいーと』HPで魚メニューを見てみると、鮭・さば・ぶりなどの塩焼きや照り焼きなどがあります。

あいーと魚メニュー

食べやすい焼き魚、とはいったいどんなものなのか興味を引かれますね。
今回の試食では、焼き魚の中で人気№1ということで、「銀鮭の塩焼き」を選びました。
試食会にはST以外に、PT・OTが参加して行いました。
仕事終わりで空腹の我々が食べた、『あいーと』の銀鮭の塩焼きの感想をお伝えします。

 

試食レポート

【見た目】★★☆☆☆

 

パッケージの写真では、鮭の身は赤に近い色でしたが、実際はベージュに近い薄い色です。加熱前は、塩焼きの見た目を保っていましたが、レンジで調理後、視覚的にも柔らかさが出て、塩焼きというよりムニエル・煮魚という印象になりました。
「生っぽい感じ」との感想も聴かれました。
皮の部分に薄い焦げ目が少々ありましたが、身の部分には見られませんでした。

【香り】★★★☆☆

鮭をコンロで焼いたような良い香りがしました。しかし、生臭いと感じたスタッフもおり、30分後も口の中に臭いが残るといった感想が聞かれました。
嗅覚が低下している方にとっては、強い香りの方が食欲をそそるかもしれません。

【味】★★★★★

焼き鮭そのままの味です。塩味がついていますが、濃い味を好む方や味覚が低下している方には、しょうゆやソースなどをかけて食べてもらうと良いかもしれません。

【食感】★★☆☆☆

噛んだ瞬間、煮魚のような食感です。皮も身も、舌と口蓋で潰すことができ、舌で簡単にまとめられます。「鮭の食感は残っている」との意見も聴かれましたが、焼き鮭の味なのに煮魚の柔らかさ、といったところに違和感を覚えました。
下側は水分が溜まり、べちゃっとした食感になります。
更に電子レンジ700Wで30秒程加熱すると、水分が飛んで、焼き鮭本来のぱさっとした食感に近くなります。

【まとまりやすさ】★★★☆☆

「まとまりやすい」との意見が聴かれた一方で、「まとまりにくく口の中に少し残る」という意見もありました。
舌や頬の動かし方や咀嚼回数などにより変化が生じやすい部分です。
食感のところでも書きましたが、更に加熱すると本来のぱさっとした食感に近くなるものの、まとまりにくくなり、口の中に残りやすくなります。

【飲み込みやすさ】★★★☆☆

我々だとスッと飲み込むことができ、喉に残る感じはありません。しかし、飲み込みやすいよう、唾液と混ぜ合わせ、舌や頬を使って団子状にまとめてから嚥下しないと、喉に入った時バラけそうな印象です。

【調理方法】★★★☆☆

今回も使用したのは、電子レンジです。200wで3分30秒が温め時間の目安です。
蒸し器だと20分、スチームコンベクションだと80℃で30分です。

写真:蒸し器

写真:スチームコンベクション

蒸し器やスチームコンベクションだと、電子レンジで温めるより食感が改善されそうな気がしますが、どちらも温めに時間がかかることや、スチームコンベクションに関しては一般家庭でほとんど使われていないことから、電子レンジを使っての温めが実用的だと考えられます。

まとめ

今回一番評価が高かったのは「味」で、評価が低かったのは「見た目」と「食感」でした。『あいーと』の売りである、「見た目」が低評価なのは残念な結果でした。もちろんミキサーや再形成食と比べれば実物に近い見た目なのですが、パッケージの写真のように美味しそうな見た目にはなりませんでした。パッケージの写真は、どの調理方法で温めた時のものなのか、気になりますね。
まとまりやすさ・飲み込みやすさに関しては、舌や頬の動きが悪いと上手くまとめられなかったり、飲み込む力が低下してると喉に残りやすかったりと、食べる方の口腔機能や嚥下機能によって個人差が出る部分です。
そのため、『あいーと』の焼き魚だから大丈夫、ではなく、『あいーと』だけど焼き魚、といった認識で、ミキサー食や再形成食を食べている方に提供する際は、専門家の判断が必要と考えられます。

こんな方におすすめ

・ミキサー食や再成形食をむせなく摂取できている方。

・ミキサー食や再成形食の見た目では食欲がわかない方。

・認知症などにより、ミキサー食や再成形食を見て食事であると認識できない方。

・義歯がない方や、硬いものを噛むことが難しい方。

 

ちなみに、あいーとは冷凍保存であるため賞味期限は3か月~11か月(食パンのみ約20日~3か月のようです)と長持ちします。

あいーとの購入方法ですが電話・FAX・ハガキ・オンラインショップといった方法があります。